こんにちは、さだぢです。
最初に正直に言うと俺自身はクリエイターとして仕事してますがゲーム会社に入って働いたことないです。
ただ実際に学歴が無いながらDeNAや面白法人カヤック、セガ、コロプラ…といった大手ゲーム会社に対して就職活動して評価され内定を貰ったこともあれば、スカウトされたこともあるので「持たざる者の戦い方」について多少なりとも話せることがあるんじゃないかと思って書きました。しかし行きたいと思った会社は全部落ちたわ
「未経験でゲーム業界に入る方法」として大学も専門も出てない未経験の俺が実際に「どうやって最大限ハードルを下げてゲーム会社に対して就活するか」を考えて実践して色んな会社に応募してた時期のこととかをまとめてます。
未経験だけど何が何でもゲーム業界で働きたいっていうのが目標の人のために現実的にゲーム業界に入るのに何が必要なのか要素を分解して考えたので参考になれば。
一番簡単な方法っていうかいかにハードルを下げるかっていう考え
目次
ゲーム業界に就職して働く上で最初に考えたこと
まず大前提として「第一志望のゲーム会社に入りたい」という思い…わかる。
でも考えてみてほしい…。
未経験で憧れの大企業に入りたいっていうのは「金も仕事もないけど新垣結衣と結婚したい」と言ってるのと一緒だから。
スキルも学歴もなかったら最下層にいるってことを最初に認識すること。
いい意味でプライドが無い方が柔軟に行動が出来るし、他の人がしない立ち回りでハンデを覆せると俺は思ってます。
底辺からステップアップしていけばいい。
それでは本題。
実力がないうちは人気の職種を狙わない
ここでは自分と同じデザイナー職を例に出します。
一番人気って何だろう。
イラストレーター?3DCGのキャラモデラー?
例えば「キャラを描きたい!作りたい!」と思う人がたくさんいたら競争率が高くなりハードルが上がるのは想像できると思いますが、実際は自分がTV見てポテチ食ってた時間に必死にキャラデザをやるために時間を費やしてきた人がいることを想像できずに大爆死する人が続出します。ブーメランで胸が痛い
ぶっちゃけ業界に入るのが目的なら最もハードルの低い職種を選ぶのがオススメでそれ以外の職を選ぶのは戦略として間違ってます。
実際、経験年数が浅くても実務未経験でも成り手が少なく需要があればハードルは下がるし、採用されやすい。
キャラはレッドオーシャンだけど、エフェクトやりたいって人は少ないから重宝されるし経験積みやすいしスキルを磨ける機会が多いので転職しても市場での付加価値は高いみたいな話。
色んな情報を聞いてて需要があって歓迎されてるなぁって思うのは3DアニメーターやUnityやアンリアルエンジンを扱える人。
それに一見関係なさそうな職種でも培われる知識や技術が繋がってたりするので無駄にはならないし、やってみたら案外楽しくて向いてたりしてて「やってみる精神」は大事..というか「〇〇志望だけど△△も大丈夫?」とか面接で聞かれたりするので…。
ちなみに当時の俺は絵を描く仕事がしたかったんですが実力がなくて出来ず…それで3DCGの映像制作の会社に入ったのが最初なんですが、結果的に2D3D両方使って絵を描く仕事が出来てるのでやってきたことは全て糧になる…!
会社の規模にこだわらないこと
ゲーム業界で働きたいってことは大半の人はゲーム会社に入りたいってことだと思うんだけど、最初から行きたいところには行けない前提で考える。
狙いどころとしてはベンチャー企業や聞いたことないような会社。
それと職種によってハードルがあるように会社によっても必要としてる人材は違うと思うので調べる必要があるけど、大きいところに比べて小さいところは書類で弾かれずに見てくれるので自己アピールがしやすいはず…以前自分が応募したゲーム会社にはオフィスがマンションの一室で一般的に想像する「会社」の体をしてないからこそ良くも悪くも全て経験出来る。
ブラックでキツい会社は敬遠されるけど「次のステップアップのためのブラックな会社を踏み台にするつもりで自分をダンピング出来る人は超強い」印象がある…加えて最初のキャリアとして経験すると転職の際に評価される傾向にあるので下から成りあがるための戦略と合致してるんじゃないかなぁと。「ダンピング」は万人向けじゃないので推奨はしないです一応知識としてこういう形で上に行った人もいた、くらいの参考に留める話
ちなみに3DCGを使う映像制作の会社とか常に人手不足なので割と入りやすくて、後々ゲーム業界に転職する上で必要なスキルも身に付けられるので最初に映像制作会社に行ってからゲーム業界に転職する道は割と再現性あるかも。基本的に映像もブラックな会社が多いけど
未経験で新卒でもなければ最初は条件が悪いけど職務経験を積めば転職で選択肢が広がる。
ゲーム会社に応募するタイミングも大事
タイミング、これ結構重要です。
ゲーム業界って流動性があるので、プロジェクト契約でその作品を作るために大量の人材を必要としてる時期には経験が浅くても積極採用してたり、逆に新卒が大量に入ってくる時期はよほど優秀でもない限り採用は見送ったりする。
なので実力というより時期が悪いせいで入れなかったり、多少実力が伴わなくても入れたりするのでタイミングは重要だと思います。
いつがいいかは会社ごとによって人が出入りするタイミングが違うので各自調べる必要がありますが実際に人事に話を聞いたら人手が必要な時は未経験でも中途採用することがあるって言ってたんで。未経験は実務未経験って意味ね
個人的には新卒募集の要項をマイナビ等に委託せずに告知してる会社は新卒として応募出来る可能性が高く、他にも年末年始に向けた大型タイトルの発売のための開発や大型イベントに向けて大量の人材が必要になりそうな前のタイミングは大々的に求人出してたりするからそういうタイミングを狙えば潜り込みやすいと思います。
あと広告も結構ポイントで、普段とは違った形でSNSや転職サイトで求人特集の広告を大々的に出してるので時期としては狙い目。
雇用形態でも就職のハードルを下げる
正社員なのか、派遣社員なのか、業務委託なのか、アルバイトなのか、ここでも難易度が結構変わるけど潜り込むっていう形で言えばアルバイトや派遣なんか難易度低いからオススメ。
実績もなく経験もなく作品もショボいって状態から現場で経験値を積みながらステップアップするって考えるなら雇用形態は関係ない。割と実力主義の世界だから成り上がりやすいんじゃないかな
バイトとして極限にハードル下げるなら非クリエイター向けのアルバイト求人から聞いたことないようなパッとしない会社でスキルを磨けそうな職種を探すのも穴場だし、未経験の転職も扱ってるエージェントで企業にゴリ押ししてくれるので未経験や経験が浅い人なんかはこの辺を有効活用するべき。
ちなみに就職や転職を斡旋してくれる人材紹介会社でも人材が足りなくて需要がある職種で無料セミナーとかトレーニングを開催してたりしていて例えばクリエイティブビレッジというサイトでは「3D Maya講座」「ゲーム2Dデザイナー養成講座」といった無料就職支援を定期的に実施しています。使ったことないので詳しいことは分からないけどおそらく紹介された企業に行くのが条件だったりするのかなぁと…
というか底辺からの成り上がりを考えるなら利用できるものは利用しないと…!
労働形態がアルバイト、派遣なら人気職に関連した経験を積める可能性が高まるので「特定のやりたい職種がある」って人は派遣やアルバイトから攻める方向が向いてるかも。
作品はクリエイターの学歴
この業界って作り手の場合は学歴よりも作品の方が比重がデカい。
と、色んな会社を受けてみた俺はそう思ってます。
ゲーム業界で仕事がしたいってことは、企画や仕様を考えてゲームに落とし込むプランナーだったり、イラストやUIを描いたり3D作ったりするデザイナーだったり、それらをゲームに機能として実装するプログラマだったり…。
といった形でやりたいことがあると思うんだけど、作品や成果物があるなら話はスムーズで作品や成果物を元に今まで話した内容を実践すればいいし、なかったら作るしかない。
未経験の場合は書類選考や面接でできる唯一のアピールが成果物や作品で、未経験でも採用する場合って「やる気」だと思うんだけど、「やる気」の一番分かりやすい指標が作品なので未熟でも形にするのが大事。
というか何も作った経験がないけど「ゲーム作りたい!」っていうのは男女のアレで「先っちょだけだから!」って言ってるのと一緒よ?
イラストにしろ3DCGにしろ「履歴書の内容」より「成果物」「ポートフォリオ」があるかどうかが採用の比重が大きいから一言だけアドバイスするなら「とにかく作品を作れ」になる。
色々試してダメなら…?
基本的に「実務は未経験だけど何かしら続けてきた活動や作ってる作品がある」という前提で話していているものの、最低水準にすら達しない人がいるのも事実で可能なら教育を受ける機会を作るべき…マジで。
何も専門学校に何年も通えって話ではなくて、先ほど紹介した就職支援やハロワの職業訓練は無料でデザイナー職として必要な最低限のスキルが習得出来る上に仕事の斡旋まで世話してもらえるので活用すべきで、他にもデジハリやオンラインスクールみたいなところで短期集中受講すれば何百万も払わずとも独学では達しなかったレベルに到達したり習熟に数年はかかったであろう学びをショートカット出来る可能性が高い。
ただ無料の就職支援は人数制限があるので数ヶ月待ちなんて事もあり得る…非表示にしてますが未経験がとりあえず作品を作る上で「初心者がオンラインで受けられる教育コンテンツ」もいくつか紹介してるので興味あったら。
【デジハリオンライン】
先ほど紹介したデジハリオンラインは3DCGや映像が学べる。
デジハリオンラインは科目によって受講期間も値段もバラバラではあるもののプロを目指す総合コースは8ヶ月想定で30万円程度とオンラインスクールにしては受講期間が長く少々高めで初心者が3DCGと映像を学べて就職斡旋まで世話してる数少ないオンラインスクールなので就職を目的とする場合は一番手っ取り早い。
ちなみに自分自身3DCGを仕事にしてた経験があり、3DCGはゲーム会社で高確率を触る上に需要があるので独学で学ぶための方法やオススメの書籍についても書いてるので参考に。
【TechAcademy】
以前使ったことのあるオンラインスクールのTechAcademyはUIUXが学べる。
プログラミングとUIUXデザインの両方を受講したんですが、プログラミングが元々難しいしカリキュラムが優しくないのも相まって未経験で受けるのはオススメ出来ないですが、UIUXデザインは考え方が非常に勉強になり就職の世話や相談にも乗ってくれるので値段は適当な専門学校より費用対効果が高いと思います。
1科目あたり1ヶ月で10万円程度といい値段なので「プロに聞ける環境」「サボりづらい環境」「ハンズオンでゲーム制作」「就職の相談」を上手く活用するのがTechAcademyの使い方かなぁと。
UIUXデザイナーも需要があるのに目指す人が少なくて人手不足の職種だけど教えてるところが他にないのでの目指すならTechAcademyを検討してもいいかも?
【Udemy】
「動画教材」として最近徐々に認知され始めたUdemy。
ゲーム開発に必要なUnityやUnreal Engine 4を手頃に学べるし、最近は3DCGのコンテンツも増えてきたので本を買うよりも動画学習が理解しやすい。
頻繁にセールをやってて1200円〜2000円くらいで買い切りで学べることを考えると一番コスパの良い教材かもしれない。
動画は英語が多くて「アレ…なんか微妙かも…」って最初は思ってたんですが、大半の動画は字幕をつけて見れるのでそこを許容出来るならかなりおすすめ。
【おまけ】
Youtubeの無料ながら良質な動画をまとめてるので参考に。
まとめ
最後にこの記事で紹介した内容に近い例として紹介。
一般大学卒業にゲームの専門学校へ入学。その後株式会社ラクジンを経て、株式会社スクウェア・エニックスに派遣社員として勤務し、その後同社社員になる。スクウェア・エニックス派遣当時はエフェクトセクションでエフェクト作成に携わり、その後、現在のキャラクター制作セクションへ移籍した。
小さな会社からキャリアをスタートさせ需要があり成り手の少ないエフェクトアーティストとして大手でも就職しやすい派遣で働き、最終的に多くの人が羨むスクウェア・エニックスで正社員として人気職のキャラクターモデラーにジョブチェンジしてるこの人が辿った流れこの記事で紹介した方法に似てないですか?
取材を読む限りだと大学卒業してから10年近い歳月を経て希望の職種についてるので時間はかかってますが確実に夢を叶えてる理想的な例だと思います。
俺自身も学歴無い割に転職活動で大手にも評価されてたのでこの例は突拍子な話でもない。
- 人手が必要なタイミングで応募する
- 人気のない職種を選ぶ
- 小さい会社に行く
- 最初はアルバイトでもいい
- 未熟でも作品を作る、用意する(一番大事)
「戦える武器が無いけどゲーム業界で働きたい人」には戦略が必要。
そういう人がド正面からゲーム会社に入るのは無理ゲーだけど戦略を考えればハードルはだいぶ下がるし、どんな形でもいいのでゲーム業界に潜り込みさえすればその後に繋げやすい。
学歴以上に技術を重視して転職に寛容な世界だと思ってるので、最初の入り口がやりたい職種や行きたい会社じゃ無くても経験を積んで力を磨けば上に行ける業界だと思ってます。
そこからステップアップしていけばいいかなぁと。