こんにちは、さだぢです。
仕事でイラストレーターとしてポケモンカードなどを描いてるプロのデジタルアーティストで、板タブも液タブも触ってきてペンタブ歴は7年ほど。
そんな立場から選び方を紹介。
【板タブのおすすめ】
【液タブのおすすめ】
【作品】
ペンタブの基礎知識
本題に入る前に、この記事を読むと想定してる人の中には「ペンタブってなんぞ?」って人もいると思うので必要な前提知識を軽く紹介。
板タブレットはペンタブ及び板タブ、液晶タブレットは液タブが通称。
ペンタブレット…デジタルで絵を描く道具
- PCに繋げて板に描くのが「板タブレット」
- PCに繋げて液晶に直接描けるのが「液晶タブレット」
- 液晶に直接描けて外に持ち運びが可能なのが「タブレットPC」
現在の主要メーカーも紹介。
ワコムが最大手ですが海外製との差が限りなく縮んでるのが現状。
- Wacom…老舗の最大手だが優位性を失いつつある
- GAOMON…板タブは微妙だが液タブは価格も性能も優秀
- XP-Pen…種類も豊富で板タブ・液タブ両方コスパに長ける
- HUION…全体的に海外製の他の2社に一歩劣る印象
そして真理として覚えておいて欲しいのが「コスパで悩んだら海外製の最新モデル」「性能で選ぶならワコムの上位モデル」。
では本題。
板タブの選び方
正直ググらずともAmazonの検索上位に出てくるモデルならどれを買っても満足な結果は得られます、マジで。
自分で買うために色々調べたり、実際使って比較していく中で出た結論。
ポイントは以下の通り。
- コスパ重視の10000円以下の価格帯はどのメーカーも差は少ない
- 「筆圧レベル」「傾き検知」等はもはや気にしなくてもいい
- サイズは10インチが最も使いやすい(10インチ = 250mm = Mサイズ)
- 検索はAmazonの上位で十分、デメリットも把握しやすい
- ワコムは「線画にこだわるプロ」以外は恩恵が少ない
もっと板タブについて詳しく知りたい方はこちら。
【調べ方】
Google検索上位に出てきたサイト情報が古い…というか実際に使ってる人の声が少ない。
Amazonのレビューって信用出来ない問題があるんですが、ペンタブに関しては主要メーカーは4社のみで粗悪品は淘汰されているので、実際に使ってる人のレビューをAmazonで直で見た方が統計的にもググるより参考材料になる。最近だと商品URLを貼るとやらせやステマといったレビューかどうか見抜けるサクラチェッカーってサイトもあるので気になるのであれば参考に
で、基本的に買われてる商品が検索上位に来るんですが、見るのは★5★4の高評価ではなく★1★2の低評価の方でデメリットを把握した上で自分が許容出来るかどうか判断して買うのがおすすめ。
【コスパ】
昔だと確かに国内製、海外製と明確に差はあったものの、今はどのメーカーも最新モデルであれば「筆圧レベル」「応答速度」「傾き検知」等の必要な機能を満たしていて現場でバリバリ働いてるプロでも通用するようなペンタブが買えます。
個人的には6000~10000円程度で買える10インチ前後のペンタブの使い勝手が最もおすすめ。(※大半のペンタブはインチ表記ですが他表記もあるので「10インチ = 250mm = Mサイズ 」が基準です、覚えとくと便利)
【性能】
海外製の板タブの性能は「XP-Pen」が優れてる印象で、逆に国内メーカーとして「Wacom」は性能がいいと有名ですが残念ながらカタログスペックでは既に海外製に負けてます。
基本的にワコムの板タブは「安価なモデル」は完全に海外製の方が上回り「上位モデル」の方も海外製に価格でも性能でも劣ってるのでコスパは全く良くないものの「描き味」はいい。(※ただしプロで線画にこだわる人以外には全く影響ないレベル)
なのでコスパ無視で「描き味」で選ぶならワコムの「Intuos Pro」で「性能」で選ぶならXP-Penの「Deco03」。
「探す手間が面倒なのでいいから具体的にコスパのいい商品を教えろ」という人に向けて3点紹介。
- Wacomの「One by Wacom」…5,940円
- XP-Penの「Deco01V2」…6,200円
- XP-Penの「Deco03」…10,997円
※各自根拠となる比較を別途書いてます。(関連記事:【歴7年プロ】板タブのおすすめの選び方を解説【全メーカーを比較】)
【One by Wacom】…5,940円
この商品はかなり古いモデルで性能も微妙だがペイントツールが同梱してるので「とにかく安く済ませたい人」に入門モデルとして最適。
【Deco01V2】…6,200円
自分が仕事でも使ってる板タブが海外製の「XP-Pen Deco01 V2」で自分が求める要件を満たしたシンプルなモデルで無駄がないので「安く済ませたいけどある程度の性能は欲しい」+「別途ペイントツールを買う予定がある」ならおすすめ。(元々ワコムの旧上位モデル「Intuos 4 Mサイズ」を使ってたんですが、新しいモデルを色々試した結果海外製に落ち着きました)
【Deco03】..10,997円
他の板タブと比較した中で最も性能が高く(細かい要素ですが)価格も手頃な圧倒的にコスパに優れた商品なので「いい板タブを買いたいけどワコムは高い」って感じてる人に推したい。
ちなみに絵を描く上で液タブ装備で一人前、みたいな印象を持ってる人が多いと思うんですけど実際のところ板タブの方がデジタルである文明の利を生かした武器だと考えてます。
確かに液タブはアナログのような感覚で描けますが、配線が邪魔、液晶が熱を持つ、アナログっぽい描き方はバランスが取りにくい、俯瞰で作業しにくい、首や目が疲れやすい等の課題があって最初は使いづらいかもしれないものの慣れればアナログのデメリットを打ち消せる板タブの方が受けられる恩恵が大きいんじゃないかなぁって思ってます。
プロでも板タブ派の人は案外多い。
液タブの選び方
液タブには板タブにはない要素を持ってます。
- 色域…数値が100%に近いほど色の再現率が高い
- 応答速度…数値が0に近いほど遅延やラグが少ない
- 解像度…液晶の画質がHD画質から4K画質まで
ただ、正直この辺の性能はコスパのいい価格帯で選んでも十分仕事でも使えるレベルなので気にしなくても大丈夫。
見るポイントは以下の通り。
- コスパ重視でも予算40000円あれば十分に高性能
- 「買って使ってる人の個人ブログのレビュー」は参考になる
- 各メーカーのAmazonページで見れる「新作」を選べばハズレは少ない
- サイズは13.3か15.6インチがいい(※自分の作業環境と要相談)
- 色域が「AdobeRGB」か「NTSC」で90%前後あるのが好ましい
- ワコムの上位モデルの液タブは色域が優秀
もっと液タブについて詳しく知りたい方はこちら。
【調べ方】
液タブもAmazon検索で十分だと思ってます。
液タブは安い買い物じゃないのでAmazonレビュー以外の参考材料が欲しいと思うなら、GoogleやTwitterやYouTubeで実際に使ってる人の声を参考にしつつ分からないことがあったら聞く、というスタンスを推します。(ちなみにおすすめでググっても結局出てくるモノはAmazon上位に出てくる商品と大して変わらない)
気になる商品は「商品名+レビュー」の「人検索」でリアルな使用感を探すイメージで実際に使ってる人の声が一番参考になる。
ただ、労力がかかる方法なので予算に合わせた簡単な探し方も合わせて紹介。
悩んだときは最新版が指標になるんですが、最新モデルを簡単に探す簡単な方法はAmazonに載ってるメーカーのリンクの先から予算に合わせて「新商品」を選ぶだけ。(※メーカーによって表記方法は違う)
各メーカーのAmazonリンクを載せたので参考に。
【コスパ】
液タブは価格で選んでもコスパで選んでも予算は4万円以内に収まる、と覚えておくと迷わない。
個人的には13.3インチの液タブが最も使いやすい。
画面に直接描きこむ性質上、作業効率や疲労度のことを考えたら液タブの「大きさ」は重要なので液タブとして使うなら個人的には15.6インチを推したいものの、使い勝手は別。(※サイズの指標として「13インチ未満…板タブと同じ扱い」「16インチ…大きな机が必要」「21インチ以上…専用構築をするべき」が分かりやすい)
【性能】
海外製の液タブの性能は「GAOMON」が特に力を入れていて「XP-Pen」は板タブも液タブも両方優秀な印象で、Wacomは板タブ同様にカタログスペックで海外製に負けてます。
ワコムの液タブは「安価なモデル」は板タブ同様に海外製の方が上回るものの「上位モデル」の方は色域に優れ、「23.6インチ」「31.5インチ」は完全にワコムが上回ってる。
正直板タブも液タブもコスパのいい価格帯では完全敗北してるものの最上級のハイエンドモデルはワコムが優れてるです、そこは強み。
「色域」で選ぶならワコムの「Cintiq Pro」で「性能」で選ぶならGAOMONの「PD156 PRO」。
「探す手間が面倒なのでいいから具体的にコスパのいい商品を教えろ」という人に向けて3点紹介。
- XP-Penの「Artist 12 Pro」…25,330円
- XP-Penの「Artist 13.3 Pro」…34,980円
- GAOMONの「PD156 PRO」…39,999円
※各自根拠となる比較を別途書いてます。(関連記事:【歴7年プロ】板タブのおすすめの選び方を解説【全メーカーを比較】)
【Artist 12 Pro】…25,330円
そもそも11.6インチサイズは数が多くないですが、11.6インチの中で優秀。
基本的に液タブはデータの送受信をするためのUSB、画面を出力するためのHDMI、電源の3種類の接続端子が必要で、使ってるみて分かる邪魔さがあるものの、この商品は電源アダプタを必要とせずパソコンから給電出来る面でも優秀。
【Artist 13.3 Pro】…34,980円
13.3インチに限らず液タブ全体で見ても価格性能共に優秀で最も推せる。(※パソコンから給電可能)
【PD156 PRO】…39,999円
15.5インチの中で一番優秀で、液タブの中で唯一必要な接続端子が2種類のみ。(※パソコンから給電可能)
液タブは大きくなるほど性能も上がる傾向にあるんですが、液タブはストレスも多いです。
物理的に置ける環境、熱を持った液晶を冷却するためのファンの音等の問題が意識から抜けて買って後悔する人もいるので、そういった問題点を考慮すると疑似板タブとしても使える13.3インチが使いやすい。
あと個人的に液タブでは別売りのショートカット用デバイスがないと不便。(安くて使い勝手が良かったのはXP-Penの「AC19 Shortcut Remote」)
まとめ
改めてまとめるとこんな感じ。
【板タブ】
- コスパ重視の10000円以下の価格帯はどのメーカーも差は少ない
- 「筆圧レベル」「傾き検知」等はもはや気にしなくてもいい
- サイズは10インチが最も使いやすい(10インチ = 250mm = Mサイズ)
- 検索はAmazonの上位で十分、デメリットも把握しやすい
- ワコムは「線画にこだわるプロ」以外は恩恵が少ない
【板タブのおすすめ】
【液タブ】
- コスパ重視でも予算40000円あれば十分に高性能
- 「買って使ってる人の個人ブログのレビュー」は参考になる
- 各メーカーのAmazonページで見れる「新作」を選べばハズレは少ない
- サイズは13.3か15.6インチがいい(※自分の作業環境と要相談)
- 色域が「AdobeRGB」か「NTSC」で90%前後あるのが好ましい
- ワコムの上位モデルの液タブは色域が優秀
【液タブのおすすめ】
参考になれば幸いです。
当方、アナログ(手描き)時代から社内イラストレーターを経て
現在はフローランスですが、述べ35年職業でイラストレーターやってます。
アナログからデジタルに完全移行して20年以上になりますが、
その間、ワコムのintuosプロシリーズの最大サイズを5台ほど使ってきました。
昨年、MacBookProで、いつでもどこでも持ち出せて仕事もできる最低限の作業環境を構築するために、
お試しに最薄・最軽量のOne by Wacomを買ってみました。
当初はこんなペラペラの安物使えるのか?と思っていましたが、
使ってみると・・・もう何も問題ない!。
元々、左手は常にキーボードの各種ショートカットを常に押すせる位置に置いていたので、
intuosシリーズのサイドスイッチやホイールなど一切使わなかったので邪魔なだけで不要でした。
軽い・薄い、不要な時はさっとどこにでも立てかけたりできる。
筆圧の8000レベルなんてワコムの宣伝用のスペックであって、実質意味ないです。
One by Wacomの2000レベルで一切問題ありません。
今まででかいintuosプロを使ってきたのはなんだったのか?と思うくらいです。
これで毎月仕事して、今まで通りしっかり稼いでますのでコスパ最高過ぎます。
キタシンさんこんにちは!
自分もワコムも海外製も色々使ってProじゃなくてもよくね?ってなってるのでコスパ最高なのは分かります…!