こんにちは、さだぢです。
自分の話をすると実はイラストの仕事がしたくて求人に応募しまくった過去があり、その後に紆余曲折を経て絵の仕事ができるようになりました。
すごく絵が好きだったってわけじゃないけど進路を決める段階で「ぼんやりしてるけどクリエイティブな仕事がしたい!」と思うようになって藝大を目指して美術予備校に通ったところが自分のスタート地点で、鉛筆デッサンから始まって今は2D3D混合のスキルを駆使して絵を作るようになったので人生分からないものだなぁと思いつつ…。
ちなみに最近はYoutubeにメイキング動画を投稿したりもしてます。
そんな自分が今だから言える、ある意味で「強くてニューゲーム状態」で右も左も分からなかった過去の自分と同じような境遇の人に向けて「絵の仕事するにはどうすれば?」って部分で参考になれば幸いです。
目次
絵の仕事をする上で知っておきたいこと
絵は技術職なので学歴より能力の方が重視される
絵は良くも悪くも技術職なので「任天堂で働きたい!」っていうレベルじゃなければ学歴はあんまり関係ない…。
3DCGの仕事を通して知ったんですけど絵の仕事…っていうかクリエイティブ系の職種の人って出自が結構バラバラで、実力も卒業した学校に比例してるわけでも無くてここもバラバラ。
- 5美大を出た高学歴エリート
- 全然関係ない大学を出て独学で仕事にした人
- 専門卒や高卒…等々
なので「絵の学校出てない…」とか気にしなくてもいいかも。
デッサンのような基礎絵だけでは採用してくれない
美術予備校に通ってデッサンを描きまくってたのでデッサンはある程度上手いと思ってたし「基礎力はあるっしょ?」と割と自信を持って絵の求人に応募とかしてました。
ただデッサン力だけでは絵に関連する仕事を得るのは難しかったです。美大や専門学校を出て新卒として就活してたら話は変わったかも
デッサンとか模写みたいな基礎的な訓練は上達に有用だし、やる意味はあると思うんだけど作品やポートフォリオとして見た時にあくまでオマケの評価要素であってメインには成り得ない…ということを今更ながら思うことで…。
なので「仕事くれ!」「採用しろ!」っていう目線で見た場合は「成果物」が絶対に必要。
応募しまくってた時は「デッサンが上手いのは分かったから、何が出来んの?」みたいな反応がほとんどで、PhotoshopとかCLIP STUDIO PAINTみたいなツールを使って何かしら仕事を想定した絵を描かないとお話にならなかった…。
例えば…
- 3Dの場合はMayaや3dsMaxを使用して作った作品
- 3DCGアニメーターの場合は3DCGアニメーションの作品
- 2Dの場合はPhotoshopやCLIP STUDIO PAINTを使用して作った作品
- 背景絵師なら背景絵の作品
みたいな感じで自分が想定してる仕事と同じ作品を作るのが仕事を得る近道で実力がなくても最低限ツールは使えますよ、仕事を想定して絵を描いてますよっていうアピールができれば入り口に立てるはず。
実はイラストレーターは狭き門?
絵を描くような仕事ってデザイナー系統との複合って形なら割とあるんですが「イラストレーター」っていう職種だと求人数が多くない上に給料が低いことが多いので色んな意味でハードルが高いと思ってます。
今は気軽に仕事を請け負ったりマネタイズしたり出来るプラットフォームが充実して仕事として絵を描いて対価を得ることが容易になったものの、ほとんどの人が対個人の副業やお気遣い稼ぎっていう側面が大きい印象なので「誰でもイラストレーターなれる!」とは気軽には言えないかなぁってのが思うところ。
「絵の仕事をする」の入り口は広くなったけど「イラストレーターとして食っていく」とは全然違う話で会社員としては以前より求められる要求値は上がってるし、フリーランスであっても商人としての才覚や経営者的目線がないとキツいかなぁ…。
仕事するようになってマジで思うんですが「絵」は個人に依存する部分が大きくて絵自体は市場価値の高いスキルでは無い。参考として自分は1枚20万円くらいでもイラスト制作を請け負えるようになりましたが、エンジニアみたいに1~2年実務経験を経てフリーランスで年収1000万みたいな再現性のあるルートは存在しない
ただ時代と共に速い速度で仕事の在り方が変化してることは実感していて、1年後には考えが変わってるかも知れないのでその時に改めて加筆修正してるかも。
ちなみにストレートに就くより色んな経験を積んでからこの職種に就く人が多い印象。
付加価値を持ってると就職しやすい
就職する場合でもフリーランスで働く場合でもそうなんですが、給料というか単価を上げようと思ったら超絶上手いみたいなパターンより「〇〇×△△×イラスト」みたいな形で市場価値でのレア度を高めるのが現実的かなぁと。
ゲーム会社を例に出すと2Dデザイナーって絵が描ける以外のスキルが幅広く使えると優遇される傾向にあります。
2Dデザイナーってゲーム上のイラスト素材、UI、キャラデザ等の目に見える全てのグラフィック要素に関与するイメージが分かりやすいんですが、それ以外にも例えば「3Dができる」「企画ができる」「ディレクションができる」等々…。
そういった意味でも「描く」以外のスキルを持ってると評価されやすい。
長い目で見るなら別のクリエイティブ職から始めるのもアリ
実は俺の場合だと最初3DCG職からスタートして徐々に絵の仕事をするようになりました。
これは人によってはデザイナーだったりするんですが、培えるスキルには関連性があるので絵の仕事へのジョブチェンジは割と可能だと思います。
クリエイティブ職で培えるスキルや知識って絵に応用できることが多い上にイラストレーターに比べてその仕事に就くハードルも低かったりするのでおすすめで、これって俺に限った話じゃなくて色んな職種で経験を積んでイラストレーターに転向する、みたいな人は結構いる。
ちなみに3DCG職は需要もある上に給料も高めなので絵の道を諦めた場合の保険にもなるのもポイント。(ただし映像制作会社やアニメ会社は微妙)
派遣形態は就業しやすい上に技術職の場合だと悪くない
基本的にこの国の一般的な派遣はドナドナ(搾取)の要素が大きいと思ってるので「長年働き続ける」ことは正直推奨はしない。
が、技術職の場合はめちゃめちゃ使えると思ってます。
期間雇用なので採用されやすく、実力がなくて全然選考が通らない場合には入り口として大いに活用するべきで特定の業務、職種での採用になるのでスキルが磨き易くて実績を得る場として活用出来るのも技術職ならではの話。
ちなみに俺もシリコンスタジオの派遣で働いてたことがあります。
無料の就職支援も使えるなら使うべき
今って無料で受けられる就職支援があるのを知ってますか?
残念ながらイラストは無いものの需要のある関連職ではこういったサービスがある。
就職することを条件に無料でスキル習得からポートフォリオ作成まで支援してる「クリエイティブビレッジの若手の業界就業支援」みたいなサービスもあるので転職する前提で活用出来るんじゃないかなぁと。確認したところ「2Dデザイン」「3DCG」と対応してるけど毎月開催してるのは3Dだけ
有名タイトルを輩出してるゲーム会社のサイバーコネクトツーも無料で「スーパーゲームスクール」と銘打って業界に足りてない職種の人材育成に力を入れてる。
当時は存在すら知らなかったんですが、色々知識や経験がある今じゃなくてその当時に利用したかった…っていうのが本音だったりして使えそうな人は利用してみるといいかも。ただし選考があるので基本的には「独学で勉強したり作品を作ったりしてるけど実務経験は無い」みたいな人が対象
他にも転職エージェントみたいな無料で活用出来るサービスもあるものの基本的にアルバイトやフリーランスとして引き受けた案件でも良いので職務経験を求められる場合がほとんど。
ただ色々利用した雑感として未経験でもサポートを受けられる転職就職支援サービスも一応ある。無料で相談できるよ
絵の学校に行く選択肢は…
藝大を目指し挫折したものの絵の仕事をするようになった自分の雑感として、絵は万人が稼げるスキルとは言い難いので仕事にするために高い学費を払って絵の学校に行くのは割に合わないと思ってます、正直なところ。例外としてレベルの高い学校は選択肢としてアリ
絵の学校で学べるのは仕事になるスキルというよりも基礎が強い印象。
絵を基礎から学ぶのは時間がかかる上に上達したからと言ってただちにお金になるわけでもないので時間と学費の工面が出来て絵に対して情熱を捧げられる学生向けで万人が取れる選択ではない。
ただ同時に学校という環境自体が有用だということも理解してるので、仮に絵の仕事がしたくて学校に通うのであれば直接「絵」を学ぶ場所ではなく3DCGやUIUXデザインのような市場価値が高く、関連性があり、絵にも転換できるスキルが得られる就職支援のある学校がおすすめ。
まとめ|完全にスキルゼロの状態で絵の仕事につくとしたら…?
もし俺がLv1の状態で絵の仕事がしたい!って考えた時に今だったらどうするか…。
先を見越して考えるなら今だったら3DCGを覚えて、特に需要があって絵にも応用が効くゼネラリストを目指しつつ3DCGアニメーターかモデラーとして一度就職すると思います。
推す理由として3DCGが出来ると武器になり、全体を理解できるゼネラリストで培える画作りは絵と親和性が高く、スキルとして市場価値が高いので保険になり、ゼネラリストは上流工程に携わりやすい(キャリアアップしやすい)ことなんかが挙げられるかなぁと。
何も無い状態からの完全独学は要領が悪いので、学費の安い短期スクールやオンラインスクールのような場所で学んでから小さな会社に潜り込む形になると思いますが、そこで3DCGの知識と経験を得つつゼネラリスト寄りになれそうならそのまま働き続けて、無理そうならゼネラリストとして採用してくれるところに転職。
経験や実績を積むという点で言ったら就業しやすい派遣とか活用すべきだし、右も左も分からない時には就職支援も活用するべき。
3DCG職で生活費を稼ぎつつ経験を1~2年も積めば2DCGデザイナーに転向できる選択が取れるようになる上に2DCGデザイナーとしても経験を積めばイラストレーターへの転向もしやすいので結構現実的。意外と王道パターン?
加えてクリエイター職としての職務経験を得ると未経験でもクリエイティブ職種間での行き来がし易くなるので、雇用形態に関わらず何らかの形で一度就職した方が道が開けてラクになるのは間違いない。
今回は3DCGを例に挙げましたが、長い目で見るなら「絵」以外の武器を身につけて絵の仕事をしていくという選択肢もあるという話でした。
実際に自分は色々手を出したんですが、最初に絵を志したものの挫折して3DCGを武器にしたおかげでポケモンカードのイラスト制作の仕事が出来るようになり、イラストや3DCG、動画編集等の複合スキルを身に付けていったおかげで7桁前後の仕事も貰える場面も出てきました。
絵の仕事って言っても種類というか人によって求めてるタイプは違うので正解はないと思ってますが、3DCG以外でも通用する考え方で関連性のある職種で経験値と付加価値を高めてから本命を射るのは再現性のある戦略だと思ってます。
1つの考え方として参考になれば。
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