こんにちは、さだぢです。
自分はイラストの仕事で単純に技術力を評価してもらうこともあれば、別の観点から評価される仕事もあって、今回は後者から経験則や知見から役に立ちそうな高単価な案件を得る術をまとめたので一つの意見として聞いてもらえれば。
最初に落合陽一さんの言葉を借りるならこの一言に尽きる。
デジタルネイチャーの学生にわかって欲しいことは「みんなが憧れていて練習したり努力すればやがてなれそうな気がする職業」っていうのはレッドオーシャンだってことだよ。
目次
「絵」自体は市場価値の高いスキルではない
そもそも論として絵は市場価値の高いスキルじゃない。
自分はイラストにしては比較的高めの一枚単価20万以上の案件を請けたこともあれば時給5000円を意識するくらいの感じで仕事してるものの基本的に絵は稼げるスキルでは無いと思ってます。ちなみタイトルに含まれてる20万円の案件は報酬感が7桁前後の案件の1部として追記したモノでプロフィールでも軽く触れてます。(2019年12月追記)
「そんなことない!絵は稼げる!」って言う人もいますが、絵で稼いでる人がいるのが事実であっても「絵は稼げる!」みたいなテンションはちょっと違うのかなぁと。
ディスでは無くて自分の立ち振る舞うべき戦略を考える上で正しい認識をすることが大事。
クリエイティビティスキルが高い人が多い時代
ぶっちゃけ絵が上手い人多くないですか?
今ってイラストも3DCGもそうだけどスキルが高い人が増えてきて、特に若くて上手い人も目立つのでそれだけ習得コストが下がってきている、ということでもあり相対的に価値が下がっていくんじゃないかなぁと。誰にでも出来る、とは言わないけどハイスペックな人は明らかに増えた
デジタル初期の頃はPhotoshopや3DCGは高価なツールで使える人もごく一部で、報酬も今とは比べ物にならないくらい高かったと聞いていて、そこからツールが一般に普及して使える人が増えて「ツールを使える」こと自体が特別なことではなくなり報酬も落ち着いていった…みたいな経緯がある。
今はトップレベルのノウハウや情報がググればすぐ手に入り、ツールもさらに安価に手に入れられるようになった時代であることを考えると同じような歴史を辿るのは想像できると思います。
とは言え市場は大きいので技術を磨き需要を追えば普通に食えるはず。
ただ…イラストレーターとしてのスキルを売りにした働き方はいつか限界が来ると思ってるし、稼ぐ上で「描く」以外の方向性を強化した方が将来性があるのでは?と思ってます。
「絵が上手い」ことに価値はないという風潮?
この記事で「絵の上手さ」について相対的に価値が下がるって言及してるし、他でも同じような考えをしてる人を目にしますが自分とは少しニュアンスが違うかも?
正しくは「そこそこ上手い」2軍3軍のような人は飽和状態で代替されやすいけど企業が求める商品の顔になる1軍レベルのイラスト制作は出来る人は少ない…が大半の人は「そこそこ」止まりなので戦うフィールドとしてはレッドオーシャンじゃね?っていう話。
個人的に尊敬してるポケカやガンプラのパッケージを描いてるヤマモトヒロユキさんって方がいるんですが、このレベルで代替出来る人そういないでしょ?
売り場で「MG 1/100 フリーダムガンダム Ver.2.0」を見てきました。パッケージイラスト担当させていただきました pic.twitter.com/t7HQSmlgML
— ヤマモ卜ヒ口ユキ🦉 (@yam_owl) 2016年4月29日
「絵」で稼いでる人が提供してる価値
観察すると分かるんですけど、絵の案件で稼いでる人達は総じて視覚表現を使った「問題解決能力」の純度が高い。
例えば組織内での意識の共有を視覚化することで全体の作業プロセスの時間短縮に繋げるコストカットが出来たり、ユーザーにアクションを起こさせる訴求力のある視覚表現が出来ると価値を創造しやすい…といった感じ。
技術的に優れてるというよりも使い方に優れてる。
「絵」はあくまで武器のひとつに過ぎなくて、実際稼げてる人はこの「絵」の部分を「写真」とか「映像」とかに置き換えても同様に稼げると思ってます。
極論、「絵」じゃなくてもいい。
使い方次第。
フリーランスイラストレーターが目指すべきは…
端的に言うと「予算のある業界で発注元のクライアントと関係性を作って『絵』を手段として問題解決する」を意識して行動することが高単価な仕事に繋がると思ってます。
つまり予算のある上流工程から携われる職能もあるのが理想。
下請けスキルから脱却
他の何かと掛け算することで高い付加価値を生み出せるのであって「絵」自体は凡庸なスキル、というのが自分の持論。
なので「絵」以外の武器を身に付ける必要があって、個人的には上流工程にも携われる企画やディレクションも出来てマーケティングも分かってると単価を上げる交渉がしやすいと思ってるんですが、「あなたの手間やコストを代わりに負担しますよ」「あなたの問題解決のお手伝いをしますよ」を価値に転化するイメージ。
企画もディレクションも一例ですが、絵を活用する意味を理解出来てると強い。
予算のある業界やジャンルを調べる
「自分が営業しようとしてる業界やジャンルは予算があるかどうか、市場規模はどの程度か」もリサーチした方がいいです。
一見華やかな業界やジャンルに憧れて目指す人も多いけど、競争率が高い上に予算もあるとは限らない。
ブログを書くようになって気付いたひとつの指標として、SNSやWebで数多く見かけるジャンルの広告は需要があってお金になるんですが、逆に規模の小さいところにいくら注力しても例えクライアントと直で繋がれても予算を引き出すのは難しい。
こういった視点から考えるのも大事。
発信の仕方をデザインする必要性
フリーランスの場合は営業ツールとしてSNSも活用して発信力を身に付けたいと考えると思うんですが、発信する段階から「発信の仕方」をデザインする必要があると思ってます。
例えば会社員時代には優秀だった人でも何でも万能に出来るアピールをしたら印象に残らないので「〇〇の人」として認知を得るなら「何を発信して何を発信しないか」っていう取捨選択。
能力やスキルでは無くいわばコンセプト。
今の時代ってフリーランスは単純な「技術力」だけじゃない複合スキルが要求されると思うんですが、最も重要になってくるのが「自分をどうやってプロデュースしていくか」っていう「技術」ではなく「活かし方」。
「発信力」も「〇〇の人」も「自分をどうやってプロデュースするか」の手段だと言える。
「〇〇の人」と認知されること
寺田克也さんって知ってますか?
寺田克也さんというラクガキが大好きな厚塗り系のイラストレーターがいますが、本も数多く出しメディア露出も多く業界では著名な人物です。
おそらく「厚塗り系の絵師と言えば?」「ラクガキ絵師と言えば?」と色んな人に聞いたら「寺田克也さん」と答える人が多いんじゃないかなぁと…仮に上位互換が出ても「厚塗り絵師と言えば寺田克也さん」というイメージを超えることは出来ないこういう立ち位置を目指すのが理想。世代によって出てくる名前違うかもだけど
つまり「〇〇の人」としてのポジションを取って認知されること。
インフルエンサーというのは難しいかもしれないですが「〇〇の人」と認知されてニッチな分野での第一人者として他の人に代替されない付加価値を作るのは現実的な戦略だと思ってます。
「〇〇の人」として認知されることが他人と競争しない独自の専門性にも繋がる。
個人的にいいなぁと思ってるのがYouTubeでポケモンゲームを実況してるライバロリって人で、この人は完全に「ポケモンの実況者」として認知されたことで趣味で始めた実況が公式からも声がかかりポケモン関連の仕事をするようになった「〇〇の人」の良い成功例かなぁと。
請負仕事をする人には関係なさそうな話題ですが、営業をする上でも訴求点が明確なので『「〇〇」と言えばあの人だよね』みたいな形でクライアントの候補にあがり指名される要素だと考えてるので例え有名じゃなくても自称「〇〇の人」としてポジショニングしていくのは大事。
まとめ|「絵」という媒体を使って何をするか
主にクライアントワークにおける話として書きましたが、自分でマネタイズを考える場合でも共通してることは多いかなぁと。
- 「企画」「ディレクション」等の複合スキルで上流工程から携わる
- 予算のある業界やジャンルのリサーチの大事さ
- アピールするべきは「絵」以外の強み
- 「〇〇の人」という専門性
フリーランスの「イラストレーター」であり「事業主」であり「ディレクター」であり「プロデューサー」でもあり「ポジション」を取りに行く、みたいな「絵を描く」以外の強みを作り「絵を使う」という感覚を磨き「絵を生かした」専門性を持つ。
目指すべきはこの道。
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