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【歴7年プロ】板タブのおすすめの選び方を解説【全メーカーを比較】

こんにちは、さだぢです。

プロのデジタルアーティストとして活動してます。

自分は2D3D両方の業務経験のあるプロのデジタルアーティストとして板タブをメインツールで7年弱使っていて、国内製のワコムの上位モデルから海外製のモデル全てを使ったことがある立場から全ての主要メーカーの板タブを比較。

悩んでる人の参考になれば。

「コスパ・用途」で選んだ結論

作品

板タブの前提知識

「板タブ」は板タブレットの略で板に直接描くことでモニターと連動して絵が描ける道具。

ただ「板タブ」は基本的には単体で使うことが出来ず「パソコン」「モニター」「ペイントソフト」も合わせて用意する必要があります。

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ただ、いまはスマホでの使用に対応したモデルもある

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板タブで見るべき要素

板タブで見るべき基本的な項目は以下の通り。

※タップorクリックで詳細が見れます。

【サイズ】

板タブのサイズは6~16インチの幅であり、分かりやすいようにS、M、Lと表記されることもある。

10インチのMサイズが最も使い勝手が良い。

【S…6~8インチ】
【M…10インチ】
【L…~16インチ】

【筆圧レベル】

筆圧の強弱の精度を表していて、基準値は筆圧レベルは8192。

【応答速度】

応答速度はペンの遅延、ラグを示したもので板タブでは「RPS」「PPS」「ポイント/秒」と表示され基準値は200RPS。

「RPS」は「 Report rate Per Second」の略で、1秒あたりでペンタブで行った動作をパソコンに送る回数を示していて、RPSの数値が大きいほど遅延やラグが減り、描き味が滑らかになる。

※RPSのイメージ画像(1秒間にペンタブの情報知らせる回数)

【読み取り精度】

連動してるモニターと板タブに乗せたペン位置との誤差を表していて、基準値は±0.25インチ。

線画作業に影響がある。

【スマホ対応】(※人による)

板タブは対応機種によってはスマホに繋げて使うことが出来ます。

ただし使えるのはAndroidスマホのみでiPhoneは全てのペンタブで対応してない。

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大前提として知って欲しいのが、近い価格帯の最新モデルであれば基本的な性能面に大きな差は無いと考えていて、値段による違いは以下の通り。

ひと昔前であれば価格差=性能差だったものの、今は「性能」ではなく「サイズ」及び「追加のオプション」が必要か否かで選ぶイメージに近い。

全メーカーの板タブを比較

ペンタブの主要メーカーは以下の4社で、Wacomが国内製で他3社は全て海外製。

表でカタログスペックを比較。

※ページに飛べます

【Wacom】

【GAOMON】

【XP-Pen】

【HUION】

「Wacom」

Wacom比較表
商品名Intuos ProIntuosOne by Wacom
価格(Amazon)37,481円19,527円5,940円
サイズ13インチ(M)10インチ(M)11インチ(M)
筆圧感度819240962048
応答速度200RPS133RPS133RPS
読取精度±0.25mm±0.25mm±0.5mm
傾き検知±60°××
ショートカット8+ホイール40
スマホ対応××
ワイヤレス接続×
ペイントツール同梱×
備考5時間の充電で最大10時間

【比較表目次に戻る】

「Intuos Pro」「Intuos」はどちらも微妙。

「Intuos Pro」はプロ用ではあるものの古いモデルで現時点で海外製に勝ってるとは言えず価格も3倍以上するので今から買うのはおすすめしない。

「Intuos」はペイントツールが同梱した廉価版で安くなってるものの同様に性能が低いので海外製+別途ペイントソフトを買った方が安く性能もいい。

「One by Wacom」は古いモデルで全体的な性能は低いもののペイントツールの「CLIP STUDIO DEBUT」が付属しており、価格を考えると入門モデルとしては最適。(※ただし自分でペイントツールを別途買う予定があるならおすすめしない)

「GAOMON」

GAOMON比較表
商品名M10K 2018S620
価格(Amazon)6,959円3,796円
サイズ10インチ(M)6インチ(S)
筆圧感度81928192
応答速度233PPS266PPS
読取精度±0.3mm±0.3mm
傾き検知××
ショートカット10+ホイール4
スマホ対応×
ワイヤレス接続××
ペイントツール同梱××
備考

【比較表目次に戻る】

GAOMONは液タブに非常に力を入れていて液タブは推せるものの板タブは正直微妙。

悪いわけではないが「M10K 2018」「S620」ともに中途半端。

種類も非常に少ない。

「XP-Pen」

XP-Pen比較表

※スマホは左右にスクロール

商品名DecoProDeco03Deco01V2Star G640s
価格(Amazon)13,200円10,997円6,200円4,260円
サイズ11インチ(M)10インチ(M)10インチ(M)6インチ(S)
筆圧感度8192819281928192
応答速度≧200RPS266RPS≧200RPS266RPS
読取精度±0.254mm±0.254mm±0.254mm±0.254mm
傾き検知±60°±60°±60°×
ショートカット8+2ホイール6+ホイール86
スマホ対応×
ワイヤレス接続×××
ペイントツール同梱××××
備考2時間の充電で最大10時間

【比較表目次に戻る】

XP-Penは全体的に高性能で価格帯も安いのでどれもコスパがかなり良い。

「Deco Pro」はプロ用として作られたモデルでスマホに対応。

「Deco03」は01、02、03と改良を重ねたシリーズでスマホには対応してないものの板タブの中でも性能が高く価格もコスパ優秀なのでパソコンのみで使うなら推したい。

「Deco01V2」は評判の良かった「Deco01」のアップデート版で無駄が無くシンプルで安い。

「Star G640s」は小型の中では性能が良く持ち運びやスマホに向いている。

「HUION」

HUION比較表

※スマホは左右にスクロール

商品名Q620MH320MH1161HS64
価格(Amazon)13,800円8,300円9,799円4,729円
サイズ10インチ(M)9インチ(S)11インチ(M)6インチ(S)
筆圧感度8192819281928192
応答速度266PPS266PPS266PPS266PPS
読取精度±0.3mm±0.3mm±0.3mm±0.3mm
傾き検知±60°±60°±60°×
ショートカット8+ホイール1110+164
スマホ対応
ワイヤレス接続×××
ペイントツール同梱××××
備考1.2時間の充電で最大20時間電子メモ帳

【比較表目次に戻る】

HUIONは全モデルの読取精度が少し低いので線画重視する人は気になるポイント。

「Q620M」は他の海外製と比較すると価格が一番高いものの全体的に高機能で、ワイヤレス機能も最大稼働時間が20時間と最も長くAndroidスマホにも対応してるので両方で使いたいなら選択肢としてアリ。

「H320M」は板タブ、裏が電子メモ帳になったアイデア製品でスマホでも使えるので使える用途が広い。(※電子メモ帳はボタン電池使用で1~2年使用可能)

「H1161」「HS64」は特筆する点は特になし。

「コスパ」「用途」での選び方を解説

8年近く色んなペンタブを使った雑感から「コスパ・用途」での選び方を解説。

個人的に感じてる点は以下の通り。

※タップorクリックで詳細が見れます。

【ワイヤレス機能は微妙】

ワイヤレス機能は使ってて感じたのが何度もアダプタを付けたり外したりするのが面倒な上に接続が瞬間的に途切れることがストレスで作業効率にも影響する。

【SサイズLサイズは使いにくい】

Sサイズは作業領域が小さいので作業がやりにくいし、Lサイズ「腕」を動かして描くイメージに近くて物理的に大きいことも相まって好きではない。

【板タブ本体のショートカットは使わなくなる】

ショートカットに関しては最終的に全てオフにしてキーボードに割り当てた方が速くてラク。(※別途高いショートカット用デバイスも購入して使ってました)

ただスマホで描くことを考慮するなら板タブ本体のショートカットはあった方が便利。

【7年以上前のプロモデルから特に進化を感じない】

性能面に関しては上がってるものの、7年以上前のプロモデルから特に進化を感じないのが正直な感想。(長い間プロモデルの「Wacom Intuos4」を使ってました)

【海外製の最新モデルはどれでもいいくらい優秀】

少し前だと海外製って安い代わりに「性能が低い」「ペンが充電式」「沈み込みが深い」等のデメリットが多かったのですが、今はむしろ総合的に海外製の方が優れてると感じてます。(※もちろん描き味の違いはある)

正直最新モデルの板タブであればどれでも十分使えるレベル。

【自分は性能ではなくデザインと使い勝手で見る】

性能面で拮抗してるとなれば「デザイン」「使い勝手」といった要素で見るようになるが、スペックと違って比較が主観になるので伝えるのが難しい。

個人的には使い勝手ではWacomの「Intuos Pro」でデザインはXP-Penの「Deco01V2」が好み。

これらを踏まえて選ぶと以下の通り。

【グラフィック作業】【スマホ】【ビジネス用途】

【One by Wacom】…5,940円

性能はイマイチだがペイントツール同梱なので「とにかく安く揃えたい」という人に最適。

【Deco01V2】…6,200円

「ペイントツールは別途買うつもりで安く済ませたいけど使い勝手のいい板タブがいい」ならおすすめ。(個人的にシンプルなデザイン・機能が好みで最近メインで使ってます)

【Deco03】…10,997円

「単純にいい板タブが欲しい」なら性能面でも価格面でも文句無しにコレが優秀。

【Intuos Pro】…37,481円

現状で最もコスパに優れる板タブの3~4倍ほどの価格で性能でも劣る上にペン先の消耗も激しい、そして海外製で十分実務に耐えうると感じてるので正直おすすめはしたくないものの、カタログスペックでは表記出来ない「描き心地の良さ」があることは伝えておきたい。

【Star G640s】…4,260円

スマホでしか使わないならコレ。

【Q620M】…13,800円

スマホでもパソコンでも使える性能の良い板タブで、ショートカットが充実していてワイヤレスで最大20時間使えるのもポイント。(ショートカットもワイヤレスもパソコンで作業する場合はいらないけどスマホで描くならあると結構便利)

※ただし持ち運びに向いてないので注意。

スマホでの選び方についてもっと詳しく知りたい方向けに別途書いてるので興味あれば。(関連記事:スマホで使えるペンタブと選び方を紹介【Android・iPhone】)

スマホで使えるペンタブと選び方を紹介【Android・iPhone】

2018.01.19

【H320M】…8,300円

ビジネス用途、とは書いたもののイラストやデザインが本業じゃない人がペンタブを必要としてる場合に持ち運んで電子メモ帳として使える点、スマホに繋いで使える点から便利

あと絵を描くのが好きな子供にプレゼントすると喜ばれます笑。(実証済み)

まとめ

ここまでの内容をまとめるとこんな感じ。

とにかく安く揃えたい(ペイントツール同梱)
→Wacomの「One by Wacom

安くて使える板タブが欲しい(ペイントツール無し)
→XP-Penの「Deco01V2

価格性能に優れた板タブが欲しい
→XP-Penの「Deco03

描き味が良ければコスパ無視で問題無い
→Wacomの「Intuos Pro

小型で持ち運び出来てスマホで使いたい
→XP-Penの「Star G640s

高性能でパソコンでもスマホでも使いたい
→HUIONの「Q620M

パソコン不要の電子メモ帳を使う用途がある
→HUIONの「H320M

参考になれば幸いです。

 

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8 件のコメント

  • はじめまして。
    以前より板タブが欲しいと言っており、色々探索を続ける中、さだぢさんのブログに行き着きました。
    そこでごアドバイス頂戴できればと思いコメントさせて頂いた次第です。
    悩んでいるのは機種で、intuosPRO PTH-451/K2かintuos CTL-6100WLかで迷っております。
    両機種ともアウトレットですが新品が¥15,000前後で購入できるためとても迷っております。
    利用環境はiMacで画面は27インチです。
    なにせ使ったことがありませんので情報を集めれば集めるほど、何を優先すればストレスなく使い続けることができるか、思い通りに描くことができるのか、堂々巡りになっております(><)
    さだぢさんオススメのXP-PEN Deco01 V2 が両方の良い点をカバーしておりコスパ抜群ですので、先ずこちらで・・・と迷いますが国産でない点で少々不安があります(^^;
    ご意見頂戴できればと思いますので、どうかよろしくお願い致します。

    • Omizさんこんにちは!
      参考にしていただけて嬉しいです!

      「intuosPRO PTH-451/K2」は描画サイズが小さいので描きにくいというか操作性は悪いと思いますが、用途が簡単な絵やレタッチといった感じなら性能は十分、「K2かintuos CTL-6100WL」は特典としてペイントソフトが同梱してるものの(アウトレットだと無いかも)、ペイントソフトが期間限定だったり廉価版だったり…加えて本体性能も低いのであんまり推しはしないです。

      そもそもワコムの板タブは海外製に比べて開発ペースが遅く、どちらも発売した時期も古いのでコスパのいい価格帯でワコム製を買おうとすると海外製に劣ってるのが現状なんですよね…。

      Andoridスマホが分かりやすい例なんですが、中国製のスマホは他と比べても性能価格共に優れてると言っても過言ではなくて「国産だからいい、中国製だから微妙」という一昔前のイメージは幻想になりつつあるかなぁと。(もちろん安かろう悪かろうな製品もあるので判断が難しいですが)

      ペンタブに関して言うならば今は中国製の方が優秀だと思ってます。

      ちなみに悩んで堂々巡りしてるのであれば一旦購入して試してみて、不満や不具合があれば返品する、という選び方なら不安は取り除けるのでおすすめです!

      • さだぢさん
        お返事&アドバイス、ありがとうございます!
        コメント送らせて頂いた後、何度もさだぢさんのブログを何度も読み返し、各機種のAmazonの評価を見直し、ふと楽天市場の評価も見てみようとDeco01 V2を検索したところ、セール中(^^;とのことで¥4,960(税・送料込み)+¥300クーポンの¥4,660となっていたため、購入してしまいました(^^)
        お騒がせしてしまい申し訳ございませんでした。
        これからもブログを楽しみに拝見させていただきます♪
        ありがとうございました!!

  • 失礼します。
    XP-PENの読取精度は0.01mmではなく0.01inchです。mmに直すと0.254mmですので、GAOMONやHUIONやIntuosと同等の数値と思われます。
    となると応答速度と充電稼働効率で優っているQ620Mが現状の最先端かなあと思っているのですが、発売からもう7カ月経って新作が出てもおかしくはないので買うか迷っているんですよね…。

    • Tdniさんこんにちは!

      教えて頂いてありがとうございます…!修正します。
      国内海外含む各メーカーのペンタブは最初は差が大きかったものの、最近は徐々に横並び状態になって性能面での進化はゆるやかになってるので現状での最新モデルを買っても問題無いと思いますが、すでにペンタブを持ってて買い替えようと考えてるなら年末まで様子を見てもいいかもしれないですね。

  • さだぢ様、はじめまして。
    初めて板タブを買おうと思い、情報を求め彷徨い、さだぢ様のブログにたどり着いた初心者です。
    どの板タブを買おうか、と迷っています。候補は
    1 Deco Pro S
    2 Deco 03
    3 Intuos M
    で、123の順で迷っています。さだぢ様の記事を読み、ワコムの優位性が崩れつつあることは理解できました。しかし、初心者ゆえか書き味に関しては判断が付きません。
    具体的には、ペン先の沈み込みが長時間の作業にどの程度影響を与えるのか、という点です。xp-penのペン先に沈み込みがあるのなら長時間の作業ではワコムに比べ、疲労がたまりやすいのではないか、と想像しています。ペン先の沈み込みはxp-penのドライバ、クリップスタジオ等のソフト側での調整で、無視できる程度に調整できるのでしょうか。
    主に長時間、クリップスタジオで漫画などの線画を書き、強弱のついた線も多用する前提です。
    12の機種の優劣は日本での製品販売時期の差と数少ないDeco Proのレビューから、1のほうがペンが改良されているのかもと判断し、つけました。上記123の機種で長時間の作業に向いている機種はどれなのでしょうか。
    初心者ゆえ、つたない長文と質問ですいません。さだぢ様よりご教示いただければ幸いです。

    • drifterさんこんにちは!

      ペイントツールを別途用意してワコムを買うのであれば「IntuosPro」以外微妙かなぁと思ってます。「Intuos M」は廉価版なので描き味の面で海外製と比べて優れてる、とは言い難いです。

      次いでXP-Penの「DecoProS」と「Deco03」ですが、初心者であれば正直どちらでも満足行く結果になるんじゃないかなぁと思いつつ線画重視であればProの方がいいと思います(DecoシリーズとDecoProでペンが違う)。ちなみに疲労感が気になるなら作業領域も大事な要素なので買うならMがおすすめです。

      • さだぢ様、アドバイスありがとうございます。
        来週時間が取れそうなので、都心まで出てIntuosProとDecoProMの実機をお店でのぞいてみようと思います。親切にアドバイスしていただき、ありがとうございました。

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