液タブに悩む人におすすめの選び方【全メーカーを比較】

こんにちは、さだぢです。

プロのデジタルアーティストとして活動してます。

自分のメインツールは液タブではなく板タブではあるものの、2D3D両方の業務経験がありグラフィック作業に対する造詣と要点も理解がある立場から主要ペンタブメーカーを比較。

悩んでる人の参考になれば。

液タブの前提知識

「液タブ」は液晶タブレットの略で液晶に直接描くことが出来る道具。

ただ「液タブ」は基本的には単体で使うことが出来ず「パソコン」「モニター」「ペイントソフト」も合わせて用意する必要がある。

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液タブの要素

全体的な傾向として液タブはサイズが大きくなるほど性能が上がり、新しいモデルほどコスパが高いという認識を持つと全体像を把握しやすい。

制作する上でのポイントを整理するとこんな感じ。

解説すると以下の通り。(※タップ or クリックで開く)

【サイズ】

液タブのサイズは大きく分けて11.6、13.3、15.6、21.5インチの4種類で感覚として11.6インチは持ち運べて、21.5インチは専用の作業スペースを作る必要があるイメージ。

使い勝手の良いサイズ感として15.6インチが人気。

【解像度】

解像度は1920×1080のフルHDが基準でハイエンドモデルだと3840×2160の4K画質もあるがType-Cで接続する必要があり、PC側が対応してないことが多いので変換アダプタを用意する必要がある。(用意しない場合フルHD画質で表示される)

【色域】

色域は表示出来る色の幅で、色の再現性に影響する。

  • sRGB…一般的な色域
  • NTSC…映像制作向けの色域
  • AdobeRGB…グラフィック作業向けの色域

こういった色域は「NTSC 72%」「AdobeRGB 90%」といった形で表記されますが、%が大きいほど色域の対応幅が広く、「AdobeRGB」「NTSC」「sRGB」の順にグラフィック作業に向いてる表記と覚えておけば大丈夫。

なお、AdobeRGBに関しては「AdobeRGB比」「AdobeRGBカバー率」といった微妙に違う表現で書かれることがありますが「比」は参考にならないので「カバー率」で判断する。(参照記事:液晶ディスプレイの「色域」を理解しよう)

【視差】

視差は間に薄いガラスが一枚あるイメージを想像すると分かりやすい。

フルラミネートディスプレイだと視差が少なく、見る角度や液タブのドライバ側の設定でもペン先と実際の描画位置で見え方が変わるので視差が明確に何ミリか記載されてないものの、最新モデルであれば視差は問題無いレベルという認識。(参照記事:フルラミネートディスプレイとは)

指標の一つとしてフルラミネートディスプレイかどうか見ると分かりやすい。

感覚値として0~2mm程度の視差がある。

【筆圧レベル】

筆圧レベルは8192が基準で筆圧の強弱の精度を表してますが、液タブに限らず今のペンタブはほぼ全て8192なので特に気にしなくて良い。

【応答速度】

応答速度はペンの遅延、ラグを示したもので「ms」「PPS」「≧RPS」と表示され、基本的に「ms」を基準に考える。

25msは素早いストロークで描く場合に遅延が若干気になるレベルで、8msだと全く遅延を感じないイメージ。(「ms」と「PPS」と「≧RPS」は厳密には違うのですが複雑で分かりにくいので便宜上全て応答速度として扱ってます)

  • ms…25が基準値で「低い」ほど良い
  • PPS…266が基準値で「高い」ほど良い
  • ≧RPS…220が基準値で「高い」ほど良い
【液晶パネル】

液晶パネルにはTA、VA、IPSの3種類があり、IPSは視野角が広く色の再現性も高いものの今の液タブは全てIPSパネルなので気にしなくて良い。

  • TA…応答速度が速くゲーム向き
  • VA…コントラストが強く映像鑑賞向き
  • IPS…視野角が広く色の再現性が高いのでグラフィック作業向き
【ショートカット】

ショートカットの有無は作業効率に大きく関わる部分。

11.6、13.3、15.6インチまでは液タブ本体に無くてもキーボードで代用出来るものの、サイズが大きくなるとキーボードでは不便な場面が多々あり、ショートカット用に別途デバイスが必要になる。

「Wacom」「GAOMON」「XP-Pen」「HUION」を比較

ペンタブの主要メーカーは以下の4社で、Wacomが国内製で他3社は全て海外製。

表でカタログスペックを比較。

「11.6インチ」で選ぶなら「GAOMON」か「XP-Pen」

各メーカーの11.6インチの最新モデルで比較。

11.6インチ比較表

※スマホは左右にスクロール

企業名WacomGAOMONXP-PenHUION
商品名PD1161Artist 12 ProKamvas Pro12
価格(Amazon)21,999円25,330円27,999円
サイズ11.6インチ11.6インチ13.3インチ
解像度フルHD
(1920×1080)
フルHD
(1920×1080)
フルHD
(1920×1080)
色域72%(NTSC)72%(NTSC)92%(AdobeRGB)
視差
筆圧感度819281928192
応答速度25ms14ms266PPS
液晶パネルIPS方式IPS方式IPS方式
読み取り高さ10mm10mm10mm
傾き検知60°60°60°
接続端子3in1ケーブル3in1ケーブル3in1ケーブル
電源必要PCで給電可能必要
ショートカット88+ホイール4
スタンドの有無×
備考

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【Wacom】

Wacomは11.6インチが無いので省略。

【GAOMON】

GAOMONのPD1161は11.6インチの中で最も安くコスパが高いもののスタントは付属してないので注意。

【XP-Pen】

XP-Penの「Artist 12 Pro」は「PD1161」に価格面で劣るものの、応答速度が速く、ショートカット数が多く、PCから直接給電出来るので電源を必要としない。

【HUION】

HUIONの「Kamvas Pro16」のAmazon販売ページにAdobeRGB 92%と書かれていて一見広い色域に対応してそうですが、調べた結果おそらく「カバー率」ではなく「比」で公式サイトで確認したところsRGB120%なので実際はもっと低い。

「13.3インチ」で選ぶなら「XP-Pen」か「Wacom」

各メーカーの13.3インチの最新モデルで比較。

13.3インチ比較表

※スマホは左右にスクロール

企業名WacomGAOMONXP-PenHUION
商品名Wacom oneArtist 13.3 ProKamvas Pro13
価格(Amazon)39,800円34,980円37,230円
サイズ13.3インチ13.3インチ13.3インチ
解像度フルHD
(1920×1080)
フルHD
(1920×1080)
フルHD
(1920×1080)
色域72%(NTSC)88%(NTSC)
120%(sRGB)
92%(AdobeRGB)
視差
(フルラミネート)

(フルラミネート)
筆圧感度409681928192
応答速度26ms14ms266PPS
液晶パネルIPS方式IPS方式IPS方式
読み取り高さ8mm10mm10mm
傾き検知60°60°60°
接続端子3in1ケーブル
3in1ケーブル
3in1ケーブル
電源必要PCで給電可能必要
ショートカット08+ホイール4
スタンドの有無〇(内蔵式)×
備考スマホ対応

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【Wacom】(ミドルモデル)

Wacomの液タブにはハイエンドモデルの「Cintiq Pro」とミドルモデルの「Cintiq」の2種類があり、今回新しく追加されたのが「Wacom One」という入門モデルで「Wacom One」は他と比較するとカタログスペックでは劣るものの、大きな特徴としてAndroidスマホで唯一使える液タブ。(動作確認済み機種一覧)

【GAOMON】

GAOMONは13.3インチが無いので省略。

【XP-Pen】

XP-Penの「Artist 13.3 Pro」は同程度の13.3インチの液タブの中で最もコスパで優れていて、応答速度も速く、ショートカット数も多く、PCから直接給電出来るので電源を必要としない。

【HUION】

HUIONの「Kamvas Pro16」のAmazon販売ページにAdobeRGB 92%と書かれていて一見広い色域に対応してそうですが、調べた結果おそらく「カバー率」ではなく「比」で公式サイトで確認したところsRGB120%なので実際はもっと低い。(2回目)

「15.6インチ」で選ぶなら「GAOMON」

各メーカーの15.6インチの最新モデルで比較。

15.6インチ比較表

※スマホは左右にスクロール

企業名WacomGAOMONXP-PenHUION
商品名Cintiq 16PD156 PROArtist 15.6 ProKamvas Pro16
価格(Amazon)66,420円39,999円44,828円39,800円
サイズ15.6インチ15.6インチ15.6インチ15.6インチ
解像度フルHD
(1920×1080)
フルHD
(1920×1080)
フルHD
(1920×1080)
フルHD
(1920×1080)
色域72%(NTSC)
96%(sRGB)
88%(NTSC)88%(NTSC)
120%(sRGB)
92%(AdobeRGB)
視差
(フルラミネート)

(フルラミネート)

(フルラミネート)
筆圧感度8192819281928192
応答速度25ms25ms≧200RPS266PPS
液晶パネルIPS方式IPS方式IPS方式IPS方式
読み取り高さ5mm10mm10mm10mm
傾き検知60°60°60°60°
接続端子3in1ケーブル2in1ケーブル3in1ケーブル3in1ケーブル
電源必要PCで給電可能PCで給電可能必要
ショートカット010+ホイール8+ホイール6
スタンドの有無〇(内蔵式)×
備考

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【Wacom】(ミドルモデル)

Wacomの液タブにはハイエンドモデルの「Cintiq Pro」とミドルモデルの「Cintiq」の2種類があり、「Cintiq 16」はミドルモデルで価格に対してのカタログスペックで他と比較すると特に選ぶ理由が無いのが現状。

【GAOMON】

GAOMONの「PD156 PRO」は同程度の15.6インチの液タブの中で最もコスパで優れていて、ショートカット数が多く、必要な接続端子が他より1つ少なく、PCから直接給電出来るので電源を必要としない。

【XP-Pen】

XP-Penの「Artist 15.6 Pro」も悪くはないもののGAOMONの「PD156 PRO」との比べると同じ性能なので値段差で劣る。

【HUION】

HUIONの「Kamvas Pro16」のAmazon販売ページにAdobeRGB 92%と書かれていて一見広い色域に対応してそうですが、調べた結果おそらく「カバー率」ではなく「比」で公式サイトで確認したところsRGB120%なので実際はもっと低い。(3回目)

「21.5インチ」で選ぶなら「GAOMON」

各メーカーの21.5インチの最新モデルで比較。

21.5インチ比較表

※スマホは左右にスクロール

企業名WacomGAOMONXP-PenHUION
商品名Cintiq 22PD2200Artist 22R ProKamvas Pro22
価格(Amazon)104,100円43,999円78,500円79,999円
サイズ21.5インチ21.5インチ21.5インチ21.5インチ
解像度フルHD
(1920×1080)
フルHD
(1920×1080)
フルHD
(1920×1080)
フルHD
(1920×1080)
色域72%(AdobeRGBカバー率)92%(NTSC)82%(AdobeRGBカバー率)120%(sRGB)
視差
(フルラミネート)

(フルラミネート)

(フルラミネート)
筆圧感度8192819281928192
応答速度14ms25ms14ms8ms
液晶パネルIPS方式IPS方式IPS方式IPS方式
読み取り高さ5mm10mm15mm10mm
傾き検知40°60°60°60°
接続端子HDMI、USB、電源HDMI、USB、電源HDMI、TypeC、電源HDMI、USB、電源
電源必要必要必要必要
ショートカット08タッチキー20+ホイール20
スタンドの有無
備考充電式のペン
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【Wacom】(ミドルモデル)

価格、性能ともに他と比較しても選ぶ理由は特にない。

【GAOMON】

GAOMONの「PD2200」は他と比べて半額近く安い上に色域も特に広く最もコスパに優れているものの応答速度は標準値の25ms。

【XP-Pen】

XP-Penの「Artist 22R Pro」は今まで紹介した液タブの中で唯一の充電式ペンな上に値段差が「PD2200」に比べて倍近くする面でも劣る。

【HUION】

HUIONの「Kamvas Pro22」は応答速度が最も早いものの、色域はこのサイズでは優れてるとは言い難く「PD2200」に比べて倍近くする面でも劣る。

ハイエンドモデルとの違い…?

Wacomには廉価版のミドルモデル「Cintiq」と高価なハイエンドモデル「Cintiq Pro」が存在していて他との大きな違いは以下の通り。

「Cintiq Pro」比較表

※スマホは左右にスクロール

企業名WacomWacomWacomWacom
商品名Cintiq 13 ProCintiq 16 ProCintiq 24 ProCintiq 32 Pro
価格(Amazon)89,800円148,580円229,527円368,368円
サイズ13.3インチ15.6インチ 23.6インチ31.5インチ
解像度フルHD
(1920×1080)
4K
(3840×2160)
4K
(3840×2160)
4K
(3840×2160)
色域87%(AdobeRGBカバー率)90%(AdobeRGBカバー率)99%(AdobeRGBカバー率)98%(AdobeRGBカバー率)
視差
(フルラミネート)

(フルラミネート)

(フルラミネート)

(フルラミネート)
筆圧感度8192819281928192
応答速度30ms25ms14ms8ms
液晶パネルIPS方式IPS方式IPS方式IPS方式
読み取り高さ5mm5mm5mm5mm
傾き検知40°60°60°60°
接続端子3in1ケーブル3in1ケーブル3in1ケーブル3in1ケーブル
電源必要必要必要必要
ショートカットタッチ操作タッチ操作タッチ操作タッチ操作
スタンドの有無〇(内蔵式)〇(内蔵式)〇(内蔵式)
備考専用デバイス付属専用デバイス付属

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【Cintiq Pro 13】

唯一のフルHDで、応答速度もほぼ全ての液タブに劣っていて、唯一優れてるのが色域の広さ。

【Cintiq Pro 16】

解像度がこのサイズから4Kになり、色域も広いものの、それ以外の性能は海外製と差は無い。

【Cintiq Pro 24】

専用のデバイスが付属していて、応答速度、解像度、色域の広さに優れAdobeRGBカバー率が脅威の99%。

【Cintiq Pro 32】

最大級の大きさ、応答速度、解像度、色域の広さに加え専用のデバイスとスタンドが付属するものの価格も最大級。

【Wacom】Wacom Cintiq Pro 24
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用途で考える

【11.6インチ】

価格帯は22,000~28,000円前後。

スペックは悪くない上に安いものの、全体的に視差があり色域の幅も広くないので「導入モデル」「サブ」「持ち運び」向け。

【13.3インチ】

価格帯は35,000~40,000円前後。

Androidスマホに唯一対応した液タブの「Wacom one」があるので「スマホで描きたい人」「大きな作業スペースを確保出来ないけど丁度いいサイズ感で安くてある程度のスペックで欲しい人」向け。

【15.6インチ】

価格帯は40,000~66,000円前後。

価格と性能面でのコスパがもっと高く、使い勝手も良く万人向け。

【21.5インチ】

価格帯は44,000~104,000円前後。

性能自体は15.6インチと差はないものの全体的に一番色域の幅が広いモデルなので「予算は出せないけど大きい画面でグラフィック作業したいプロ」向けで専用の作業スペースも必要。(残念ながらこのサイズはPCから直接給電出来るモデルが無い)

【ハイエイドモデル】

価格帯は90,000~370,000円前後。

ハイエンドモデルの「Cintiq Pro」はプロ向けではあるものの、「Wacom Cintiq Pro 13」「Wacom Cintiq Pro 16」では真価を発揮出来ないのでプロユースとして買うのであれば優れた性能を持つ「Wacom Cintiq Pro 24」。

まとめ

ここまでの内容をまとめるとこんな感じ。

【11.6インチ】…予算20,000~30,000円

  • 値段で選ぶならGAOMONの「PD1161
  • 性能で選ぶならXP-Penの「Artist 12 Pro
  • 「導入モデル」「サブ」「持ち運び用」

【13.3インチ】予算35,000~40,000円

  • コスパに優れるXP-Penの「Artist 13.3 Pro
  • Androidスマホで使いたいならWacomの「Wacom one
  • 「コンパクトで性能十分」

【15.6インチ】予算40,000~50,000円

  • コスパに優れるGAOMONの「PD156 PRO
  • 「価格性能比、使い勝手、共に万能なサイズ感」

【21.5インチ】予算45,000~230,000円

  • コスパで選ぶならGAOMONの「PD2200
  • 性能で選ぶなら「Cintiq Pro 24」(※23.6インチ)
  • 「最大級のサイズ」「最もスペックが高いモデル」
【Wacom】Wacom Cintiq Pro 24
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参考になれば幸いです。

 

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