※自分の使用してるモニターはBenQの「SW2700PT」とEIZOの「FlexScan」2台(どちらも今は生産終了)
自分は2D3D両方の業務経験があり、色の再現性を必要としたグラフィック作業かつ長時間モニターに向かって仕事をしてる立場から解説。
基本的にイラスト制作においてモニター選びで重視するポイントは「グラフィック作業」に共通した選び方なので「イラスト」に関わず「動画編集」「デザイン」「DTP」のような用途感でも考え方は同じ。
【作品】
【作業環境】
※2026年8月更新
グラフィック作業におけるモニターの選び方
前提知識
モニター選びで知っておくべき要素は以下の通り。
【解像度】…画質の綺麗さ

解像度は画質の綺麗さで以下のように表記されることが多い。
【1280×720…HD画質】
【1920×1080…フルHD画質(標準)】
【2560×1440…WQHD画質】
【3840×2160…4K画質】
【サイズ】…画面の大きさ

モニターサイズは以下が一般的。
【21インチ…少し小さい】
【24インチ…実用的】
【27インチ…理想】
【フリッカー】……目では認識出来ない高速のチラつき

フリッカーは目の疲労に繋がりやすいものの目で認識出来ない。
【視野角】……斜めから見てどこまで正常に見えるかを表す角度

視野角が狭いと斜めからの見え方が変化する。
【視野角100°…角度が変わった時に色味も変わる】
【視野角180°…どこから見ても色が変わらない】
【液晶パネル】…液晶の性質を表す(TN・VA・IPS)

液晶パネルには3つの方式が(TN・VA・IPS)があり、特徴は以下の通り。
【TN…応答速度が速くゲーム向き】
【VA…コントラストが強く映像鑑賞向き】
【IPS…色の再現性が高くグラフィック作業向き】
| TA | VA | IPS | |
| 色の再現性 | × | △ | 〇 |
| 視野角 | × | △ | 〇 |
| 応答速度 | 〇 | × | × |
| 価格 | 〇 | △ | × |
【色域】…再現出来る色の幅

色域は表示出来る色の幅で、色の再現性に影響するのでグラフィック作業においては大事な要素。
【sRGB…一般的な色域】
【AdobeRGB…グラフィック作業向けの色域】
選ぶ基準は以下の通り。
IPSパネルで色域は100%に近いのが好ましい
Webのみ(印刷しない)…sRGBで選ぶ
写真や印刷の用途…AdobeRGBで選ぶ
再現出来る幅が広くてグラフィック作業向けのIPSパネルであろうが色域が狭いと正しい色を表示出来ないし、逆にグラフィック作業に向いてない液晶パネルで色域が広くても同様に正しい色を出せない。(例を挙げるとsRGBカバー率99%だけどVAパネルを使っている等)
また、用途がWebデザインなのか、写真や印刷で使うのかで最適な色域も変わる。
なお、AdobeRGBに関しては「AdobeRGB比」「AdobeRGBカバー率」といった微妙に違う表現で書かれることがありますが「比」は参考にならないので「カバー率」で判断する。(参照記事:液晶ディスプレイの「色域」を理解しよう)
sRGBとは…国際標準規格。(Web向けの規格)
AdobeRGBとは…Adobeよって提唱された色空間の定義で、sRGBよりも広い(特に緑が広い)RGB色再現領域を持ち、印刷や色校正などでの適合性が高く、DTPなどの分野では標準的に使用されている。(印刷・写真の分野で特に用いられる規格)
【グレア・ノングレア】…画面の光沢・非光沢

グレアは綺麗な光沢感があり、ノングレアはマットな質感。
【グレア…映像鑑賞やゲーム等の娯楽向け】
【ノングレア…長時間作業をするデスクワーク向け】
【スタンド】…モニターを立てる台

モニターの台には機能があり、名称がある。
【チルト…前後に動かせる】
【スイベル…左右に動かせる】
【ピボット…90度回転が出来る(※案外便利)】
基準
上記で紹介したような色々な要素がモニターにはありますが、イラスト含むグラフィック作業においてモニター選びで意識するべき部分は「適切な大きさ」「色が正確」「目が疲れにくい」かどうか。
※タップorクリックで詳細が見れます。
解像度はフルHD以上
解像度に関してはフルHD画質でも問題無い。
余裕があれば4K画質も検討。
サイズは23.8インチ以上
モニターのサイズは作業効率や疲れやすさに大きく比例する。
23.8インチ以上を推奨していて出来れば27インチ。
光沢の反射が無いノングレア
光沢には「グレア(光沢)」と「ノングレア(非光沢)」の2種類。
「グレア」は鮮やかな画面でゲーム等の娯楽を楽しむのに向いていて「ノングレア」は画面反射が無くコントラストが抑えめで目に優しいので長時間作業するのに向いてるのでノングレアを選ぶ。
フリッカー対策済みモニター
フリッカーのチラつきは目に疲労が蓄積する。
「フリッカーフリー」「フリッカーセーフ」等の記述があるフリッカー対策されてるモニターを選ぶ。
液晶パネルは色の再現性の高いIPS
液晶パネルは色の再現性が高く視野角が広いIPSパネル一択。
色域は100%に近いモノを選ぶ
色域はグラフィック作業でも重要度が高い要素ですが、用途がWebだけなのか、写真や印刷で使うのか、ハッキリしていればコスパで選べる。
Webだけなら「sRGB」印刷や写真の用途があるなら「AdobeRGB」で選ぶ。(両方対応も可能)
スタンドの可動域があると便利
作業をする上で高さや角度を調整出来ると便利で、サブモニターを90度回転させて縦置きで使う人も多い。
- ASUSの「VY279HGR」…16,800円(色域が要らないなら)
- EIZOの「FlexScan EV2480」…47,800円(Web・イラスト向け)
- BenQの「PD2706QN」…63,000円(Web・イラスト向け)
- BenQの「SW242Q」…68,400円(写真・印刷向け)
※価格は2026年8月時点。モニターは値動きするので買う前に現物を見るといいかなと。
【VY279HGR】…16,800円
27インチ、IPSパネル、ノングレア、フリッカーフリー。サイズと目の疲れにくさだけ見るならこれで足りる。
ただしクリエイティブ用途のモニターではない。色域が公開されてないので、色を合わせる作業には使えない。絵は描くけど印刷もしないしWebに上げるだけ、みたいな人か、サブモニター用
【FlexScan EV2480】…47,800円
23.8インチ、IPSパネル、ノングレア、フリッカーフリー、可動スタンド、sRGB119%とこの記事で挙げた条件を全部満たしてる。しかもEIZOは3年保証。
Webとイラストの投稿が中心ならこれで足りる。印刷や写真をやるなら下の2つを見た方がいい。
※前にここで推してたEIZOの「FlexScan EV2451」の後継にあたるモデル。当時40,600円だったのが47,800円なので、こっちは値上がりしてないっぽい。
【PD2706QN】…63,000円
27インチ、WQHD(フルHDの倍の解像度)、IPSパネル、フリッカーフリー、ピボット対応で色域が「sRGB / Rec.709 100%」。写真や印刷には不向きだが、Web・イラスト用途ならこれで過不足なし。
※前モデルの「PD2700Q」は36,181円だったので、同じ位置づけで15,000円ほど上がってる。
【SW242Q】…68,400円
色域が「AdobeRGB 99%」なので、印刷・写真の用途まで含めて使えるモデル。24.1インチで解像度は2560×1600。ハードウェアキャリブレーションにも対応してます。
27インチが欲しいなら「SW272Q」(118,800円)。ただこの値段を出すのは仕事で色の責任を持つ人だけでいいと思う。
⚠️ この数年でカラーマネジメントモニターは値上がりしたっぽい
この記事を書いた当時と今を並べるとこう。
- PD2700Q 36,181円 → 後継のPD2706QN 63,000円
- SW240 45,273円 → 後継のSW242Q 68,400円
- SW2700PT 69,999円 → 後継のSW272Q 118,800円
「色を正確に出す」ためのモニターだけが、目に見えて高くなってて…しんど!!!
なので今は「自分は本当に色域が要るのか」を先に決めた方がいい。Webとイラスト投稿だけなら要らない。要らない人が背伸びして買っても上がるのは支払額だけ
「色域」を気にしなければモニターは安い
基本的にモニターが高くなる要因は「色域」で、そもそもクリエイター向けのモニターは種類が少ない。
「色域」以外のサイズ、IPSパネル、ノングレア、フリッカー対策等の基本条件を満たしたモニターであれば1万円代でも買えるものの、色域が狭かったり対応してないと色が正しく再現されずグラフィック作業では致命的なのでメインではおすすめはしないがサブモニターという用途であればアリ。(※黄緑が緑、赤が赤紫になって見える等)
いい製品は値段は張るものの、長持ちするので長い目で見たら「耐久性」「サポート」「疲労度」「作業効率」といった面々から安いモニターを買うよりも費用対効果も満足度も高い。
※値段は2026年8月時点の定価。セールで下がることが多いので買う前に現物を見るといいかなと。
まとめ
改めてポイントをまとめるとこんな感じ。
- 解像度はフルHD以上
- サイズは23.8インチ以上
- 光沢の反射が無いノングレア
- フリッカー対策
- 液晶パネルは色の再現性の高いIPS
- 色域は100%に近いモノを選ぶ
- 「Webのみ」なら「sRGB」
- 「写真・印刷」なら「AdobeRGB」
- 可動域のあるスタンドがあると便利
- 先に「自分は色域が要るのか」を決める。要らないなら1〜2万円で足りる
改めて、買うならこのあたり
用途で分かれるだけなので、自分がどれに当てはまるかだけ見るといいかなと。
■ 色域は気にしない。とにかく安く大きい画面が欲しい
→ ASUS VY279HGR(27インチ / IPS / ノングレア)16,800円
クリエイティブ用途のモニターではない。色を合わせる作業には使えないので、そこだけ承知で
■ 印刷しない。Webとイラストの投稿だけ
→ EIZO FlexScan EV2480(23.8インチ / IPS / ノングレア / sRGB119% / 3年保証)47,800円
この記事で挙げた条件を全部満たす一番安いところ
■ 仕事でも使う。色をある程度ちゃんと出したい
→ BenQ PD2706QN(27インチ / WQHD / sRGB 100%)63,000円
作業領域が広くなるので、キャンバスとパレットを同時に開いても窮屈にならない
■ 印刷物・写真をやる
→ BenQ SW242Q(24.1インチ / AdobeRGB 99%)68,400円
ここだけは安物で代用が効かない。色が違うと刷り直しになるので
仕事で使うかどうか、ガチ運用じゃないなら一番上でいい。色域が要るかどうかは、実際に印刷して困ってから考えても遅くない。モニターは壊れにくいので、後から2台目として足す買い方もできる
※価格は2026年8月時点
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