こんにちは、さだぢです。
2D3D共に使ってプロのデジタルアーティストとして活動してる立場から紹介。
リザードン(キョダイマックスのすがた) pic.twitter.com/lCYb3Ycqwl
— さだぢ (@sadaji_art) October 30, 2019
※最近の作品はこんな感じ
ハッキリ言いますが、おすすめやレビューをググって探してもあんまり意味ないと思ってます。
ググったサイトで紹介されるおすすめは基本的にBTOパソコンショップの公式サイトで紹介してるものと同じで、公式サイトは初心者向けに値段帯別や選び方を載せてるのでそれで充分なんですよね…。
まず用途に合わせて選ぶクリエイター向けのPCが以下の通り。
- イラスト制作
- 動画編集
- 3DCG…等々
そしてそこから段階に合わせて選ぶことになります。
- 「入門モデル」
- 「実用モデル」
- 「プロモデル」
これが公式サイト見れば一発で分かるようになってて…十分だと思いませんか?
今って特別PCの知識が無くても用途さえ決まってればすでに最適化されたPCが選べるし、直接BTOメーカーに問い合わせて予算感や用途を言えば答えてくれます。
じゃあなんでこの記事を書いてるかというと大きい買い物なのにパソコンショップやググったサイトの情報を見た時におすすめやレビューに依存してるのに審議する知識がなくて「3D分からんけど実際に制作してる人の目線でシンプルにポイントだけ教えてくれ」という風に思った過去の自分と同じように人に向けて役に立てればと思ってまとめてます。
要は「おすすめ」ではなく「選び方」の知恵が欲しい人向けの記事。
基本はBTO公式サイトのクリエイター向けPCを買えばオッケーで「じゃあなんでそれなの?」という判断をするための補完だと思ってもらえれば。
3DCG用のPCを選ぶ際のポイント
気にする要素
スペックとか性能とか表記されても分からない人向けに重要度の高いポイントは以下の4つだけ。
- CPU
- メモリ
- グラフィックボード
- ストレージ
性能と値段に直結する部分です。
それぞれ何の役割を分かりやすく言うと以下の通り。
- CPU…基本性能
- メモリ…メモリが多いと重い作業や複数の作業を同時にできる
- グラフィックボード…映像を綺麗に出力し処理する
- ストレージ…データを保存する場所
選ぶ基準
3DCGをやる場合って「Maya」「Zbrush」「Blender」「SubstancePainter」、有名なこの辺に手を出すことになるんですが公式サイトに行くと推奨スペックが載ってます。
【公式の推奨スペック一覧】
- Maya(…最大手の総合3DCGツール)
- ZBrush(…スカルプト専用ツール)
- Blender(…無料の総合3DCGツール)
- SubstancePainter(…3Dペイントツール)
で、各ソフトを踏まえて要件をまとめるとこんな感じ。
- CPUは「Core i」か「Rizen」のどちらか
- 3DCG向けは「Core i7」か「Rizen 7」を選ぶ
- メモリは最低8GBあれば動くが公式の推奨は16GB以上
- ストレージは「HDD」が基本で余裕があれば「HDD+SSD」の形
- グラフィックボードは「Quadro」か「GeForce」のどちらか
- 「Quadro」であれば数値が2000以上「GeForce」であれば1070以上
- 「Zbrush」のみであればグラフィックボードは不要
CPUには「Core i」と「Rizen」の2種類があり、「Core i」が万能で「Rizen」がコスパは良いが得手不得手がある…といった特徴がある。
ちなみにCPUは「Core i3」「Core i5」「Core i7」のような形で数字が性能を表していて、3DCG用途であれば「Core i7」か「Rizen 7」のどちらかであれば問題無い。(「Ryzen 7とCore i7」の違いを初心者向けに分かりやすく解説)
メモリはプロは32GB以上を使ってる人が多いですが、必要になったら取り付ければいいだけの話なので最初は16GBで十分だと思います。(簡単にメモリを取り付ける方法)
ストレージには「保存容量が多くて安いHDD」と「値段は高いが読み込み速度の速いSSD」の2種類があって基本的にHDDだけでも問題無いものの、SSDがあると読み込みや保存といったデータのやり取りが速くなって作業効率が上がるので保存容量が増える以上の恩恵があり「HDD+SSD」の形が理想。
グラフィックボードはNVIDIAというメーカーの「GeForce」か「Quadro」のどちらかを選ぶことになります。違いとしては「GeForce」がスペック高く3Dゲーム向けでリアルタイム描写に強くて「Quadro」が安定性があり3D業務向けで値段が高い。
昔は安定性の問題で「Quadro」のシェアが多かったみたいですが、動作の問題が無くなってきたこと、リアルタイムの需要が増えたことから「GeForce」が増えてるみたいです。
個人的には今挙げた3Dツール用は全て「GeForce」で問題無い。
グラボの表記は「GeForce GTX1070Ti」「Quadro P4000」みたいな感じで書かれていて「よく分からん」って思ったら数値が両方ともに1070以下じゃないかどうか見れば大丈夫。この二つ以外のグラボは3DCGには向いてない
グラフィックボードの比較表を分かりやすく示してるページもあるので参考に。
用途で考える
そもそも3DCGに興味がある…というレベルの人は全く買う必要がない。
よほど古いPCじゃなければ家にあるので十分。
値段帯のイメージとしては初心者が趣味でやる場合は10万円前後、専門学校に通って自主制作もして仕事にもしたいと考えてるレベルなら20万円前後、仕事で使うなら30万円前後、が分かりやすいかなぁと。(今は高性能なパーツが安くなってるのでもっと安価に買える)
で、具体的なスペックで選んでみるとこんな感じ。
- CPUは「Core i7-10700」
- メモリは「16GB」
- ストレージは「HDD 1TB」+「SSD 256GB」
- グラフィックボードは「GeForce GTX1650 4GB」
- CPUは「Core i7-10700」
- メモリは「16GB」
- ストレージは「HDD 2TB」+「SSD 512GB」
- グラフィックボードは「GeForce RTX2070 8GB」
- CPUは「AMD Ryzen 7 3700X」
- メモリは「64GB」(※基本16GB カスタマイズで+48GB増設)
- ストレージは「HDD 2TB」+「SSD 1TB」
- グラフィックボードは「GeForce RTX2070 8GB」
各値段帯で良いと思うモデルを選んだものの、安い買い物ではないので必要になったらグラボやメモリの性能を上げられるので最初は12万円程度のクリエイター向けPCを買えばいいと思います。
BTOパソコン
BTOパソコンを売ってるショップは色々ありますが、多くの人が調べて辿り着くのが以下のメーカーかと思います。
- ドスパラ
- パソコン工房
- マウスコンピューター
ちょっと前だとドスパラ一強でした。
ただ、今を比較すると「価格」「性能」「サービス」の差は縮まってます、正直。
それでもコスパに優れてるのは間違いないので選び方が分からなかったらドスパラを選んでおけば大丈夫だと思いつつ、似た価格帯で性能を比較するとドスパラを凌ぐコスパの良い製品も出てるので紹介。
ゲーミングPCに力を入れてるLenovoの「Legion T550i」は予算11~15万円前後であればドスパラどころか自作PCを凌ぐコスパではあるものの、購入時に構成のカスタマイズが出来ないのでメモリ等を増設する場合自分で取り付ける必要がある。(簡単にメモリを取り付ける方法)
ヤマダ電機の子会社のフロンティアの「FRGAB450F/SG3/NTK」は予算19万円前後であれば単純にドスパラと比較して安いのでいいパーツが積める。
基準として参考に。
(※詳細はタップorクリック)
まとめ|シンプルに考える
改めてポイントをまとめるとこんな感じ。
- CPUは「Core i7」か「Rizen 7」を選ぶ
- メモリは16GB以上を推奨
- グラフィックボードは「Geforce」で問題無い
- グラフィックボードの数値が1070以上かどうかチェック
- Zbrushのみならグラボは不要
なんかよく分からない…と思ってもシンプルに整理するとどう選べばいいかイメージしやすい。
参考になれば幸いです。
あわせて読みたい
この記事ものすごくいい!ありがとうございます。10歳不登校→我が道を行く子/と17歳いじめ→バンタン高等部プログラミング課在籍中だが悩み中らしいの親50歳です。
もう好きにやらせておこうと思っているけど、なんとなくここ半年〜最近二人ともMMD?3DCG寄りになってて、スペック云々と言い始めたので、黙って調べていたらここにたどり着きました。15年前のPC教室講師で技能止まってる母です。もうついていけない
昨日から本屋やネットで検索始め、こちらめっちゃわかりやすい。読みやすい。
感謝しかないです。
色々読ませていただきます。
楽しみです。
ありがとう✨
Twitterフォローさせて戴きました。
Reikoさんこんにちは!
そう言って頂けると記事を書いた甲斐があります、お役に立てたなら嬉しいです…!
高性能なパソコンも昔と比べて安く買えるようになってるので3DCGをはじめやすい時代だと思います
Twitterフォローもありがとうございます!(∩´∀`)∩
今は中学生で、将来の夢は3DCGアニメーションの制作をする仕事につくことです。まだつくったこともなく、素人ですがBrenderだとやはり無料なのではかのソフトよりあつかいづらい部分やできないことなどがありますか?
また、最近はAMDのRYZENのCPUが高性能かつコスパもいいと言われていますがRyzenのCPUではなにかデメリットがあるんですか?ちなみに僕が買おうとしているのはドスパラのレイトレックATというものです。将来のために今から3DCGアニメーションに触れていきたいと思っています。
鈴木さんこんにちは!
買おうとしてるモデルは良い選択だと思います。
アニメーションは専門じゃないので適切なことは言えないですが、正直今のBlenderは個人規模での制作であればMayaに全く劣らないレベルだと思ってます。(verが2.8になってから劇的に変わりました)
CPUに関してはこちらのサイトの比較が一番信頼出来てわかりやすいですが、自分が記事を書き始めた当時はIntelが万能でRyzenがコスパがいい代わりに得意不得意がハッキリしてる、という認識でIntelが優勢だったんですが、確かに今だとRyzenの方が良さそうですね…勉強不足でしたので改めて勉強し直してから内容を修正します。(※修正しました)
https://chimolog.co/bto-cpu-corei7-ryzen7/
CG制作頑張ってください!
ほんまわかりやすいです。無駄がないです。アフィリエイトブログばかりのこの世の中こういうちゃんと情報を教えてくれるサイト少なくなりました。
特命係長さんこんにちは!
ブログに訪れる人のことを第一に考えて記事を書いてるのでそう言って頂けて嬉しいです…!
このサイトを見てLegion T550iを買おうと思ったのですが、ディスプレイは中古の安物でお金を最初はかけない方で考えているのですが、ディスプレイって安物だと画質が悪い以外デメリットがありますか?
こんにちは!
基本的にディスプレイの価格は「色の再現度が高い(正しい色を表現出来る)」「サイズ(大きさ)」「疲れにくい(モニターの性質)」「使い勝手がいい(90度回転する等)」あたりと比例してるので、仕事で使わないのであればディスプレイの性能の重要度は低いので安いので全然問題無いです!
記事も書いてるので参考に。
https://sadaji-note.com/illust_monitor
問題なかったですね。ありがとうございます。買いました!これで私も
はじめまして。
色々調べててここにたどり着きました。
3dsmax2021を下記構成のPCでもかなり動作が重く、ソフトが落ちる事もしばしばなのですが…どこが問題なんでしょう?
RTX 2080 SUPER
Core i7 10700KF
HyperX FURY DDR4 メモリ 32GB
1TB SSD PCIe規格 + 2TB HDD
ゲーム用途メインですが勉強にもと思って購入したもの活かせていません。
どうか指南を
情報が少ないのでなんとも言えないんですが、スペック自体は現場で使われてるミドルクラスと同等なので問題無いのでもしかしたらPC本体ではなくソフト側で操作が重くなる設定になってるか不具合があるのかもしれないです。
設定次第では十分なスペックでも無駄に重たい処理を行ってソフトが落ちることは多々あります。