こんにちは、さだぢです。
新しいペンタブが欲しいと思った時、色々レビューを見て悩むと思います。
実際のところどうなのか気になる…そういう思いがあって「家電量販店ならワコム製のペンタブレット全部試せる?」ってことでワコム製のペンタブレット・液晶タブレットを比較して「使いやすかった!」「微妙?」っていう両方の目線から製品を紹介。
ワコムの特設店にも行って新作を試して、ワコムの中の人にも話を聞きました。
ちなみに自分は絵の仕事をしていてワコム製のペンタブを7年ほど使っていた経験もあり、他のメーカーと比較した立場を加味して書いてるのでそういった点でも参考になればなぁと。
目次
- 1 ワコムが出してるモデル一覧
- 2 ペンタブレットと液晶タブレットの感触
- 3 本格的なペンタブレット「Intuos Pro」
- 4 安価で初心者向け「Intuos Draw」(2018年3月9日から旧モデルになりました)
- 5 コスパの良い新しいIntuos「Wacom Intuos」
- 6 海外製に圧される形で登場した「Cintiq16 FHD」
- 7 バランスが「よかった」液晶タブレット「Cintiq13 HD」(2018年1月11日から旧モデルになりました)
- 8 持ち運びができるタブレットpc「MobileStudio Pro 13」
- 9 ワコムの特設店で中の人に話を聞いてみた
- 10 まとめ|総合的に考えておすすめしたいペンタブは…
ワコムが出してるモデル一覧
まず最初にワコムが出してる製品を軽く紹介。
ワコムが出してるシリーズは以下の通り。
- Wacom MobileStudio Pro…本体にOSが積まれたタブレットPC
- Wacom Cintiq Pro…最上位液晶タブレット
- Wacom Cintiq…廉価液晶タブレット
- Wacom Intuos Pro…最上位ペンタブレット
- Wacom Intuos…廉価ペンタブレット
では本題。
ペンタブレットと液晶タブレットの感触
本格的なペンタブレット「Intuos Pro」
こちらは最上位ペンタブレットの「Wacom Intuos Pro」シリーズです。
現状の新型モデルIntuos Pro【Mサイズ】を試したものの、かなり古いモデルで6年以上愛用してたIntuos 4【Mサイズ】との差をそこまで変化を感じないな…っていうのが正直な感想です。
筆圧が2048から8192になったらしいですが全然手応えに差を感じなかったし、新規で買うならともかく買い替えるレベルではないかなぁ…って感じ。
あとIntuos Proの口コミを見てみたら「ワイヤレスが途切れる、遅延する」「ドライバーの不具合が多い」「ペン先の消耗が激しい」といったプロ御用達の道具にしては不満が多い…若干の不満が残るものの「板タブとして」最上位のモデルが買いたいのであれば「Intuos Pro」しかない。
- 値段帯が30000円~40000円弱
- 描き味は良いが旧上位モデルとの差はあまり感じない
- ワイヤレス、有線接続ともに可能
- 筆圧レベル8192
安価で初心者向け「Intuos Draw」(2018年3月9日から旧モデルになりました)
2019年現在でも未だに紹介してる記事を見かけますが、わざわざ今から買うモデルじゃないです。
断言できる。
ワコムの安価な板タブ「Intuos」シリーズは以下の通りで、付属のソフトが違うだけで本体の性能はほぼ同じ。
- Intuos Draw
- Intuos Photo
- Intuos Art
- Intuos Comic
- Intuos 3D
これは性能の良いペンタブに慣れてしまったがゆえの感想なんですが…。
安価なペンタブで仕事はキツい!ってのが触った時の感触で、例えるならIntuos Proは実力通りの力を引き出してくれるけどIntuos Drawは謎のハンデを背負って絵を描いてる感覚。
触ってみると全然違うのが分かる。比較すると筆圧感知やペンとモニターの座標認識が結構甘い?
ちょっとデジタルでペンを使って描きたいっていうレベルだったら全然いいと思うんだけど、普通に絵が上手くなりたいと思ってるなら全くオススメできないかも…。
俺の場合だと最初に買ったのが3万円くらいのIntuos 4は未だに現役なので「がっつりやりたい!」って思うなら2〜3万円台のペンタブを基準に選ぶといいかも。ペンタブに関しては安いやつは微妙だけどある程度を超えたらそこまで性能に差を感じることはないので2~3万円を基準にするとハズレはないはず。
ちなみに性能が同じだけど付属ソフトに差があるので、安く絵を描くならCLIP STUDIO PAINT PROの2年分のライセンスが付いてくるIntuos Comicがおすすめ。
- 値段帯が8000円~13000円弱
- 同じシリーズは付属ソフトが違うだけで性能はほぼ同じ
- 筆圧レベル1024
コスパの良い新しいIntuos「Wacom Intuos」
こちら廉価版ペンタブレットの「Wacom Intuos」シリーズです。
こちらのWacom Intuosは名前が紛らわしいんですが安価な旧モデル「Intuos Draw」の後継機にあたります…写真を撮り損ねたのですがワコムの特設店で試してきました。
来場者限定の替え芯も貰ってきたよ
ほぼ同じ値段で旧作の「Intuos Draw」シリーズのSサイズと比較するとだいぶ使いやすかったですし、旧作の使い物にならなかった筆圧レベル1024から4096に上がった差は大きい上に購入特典として描画ソフトもダウンロードできるので導入モデルとしては悪くないんじゃないかなぁと…。
今までワコムの板タブは高い割に…って感じだったんですが、海外製に比べて描画領域が小さくなるけど値段・性能ともに健闘してる印象で悪くない商品だと思います。ちなみに描画サイズが大きい方が描きやすいので値段でSサイズを選ぶなら海外製の方が安くてコスパの良い板タブがあるのでMの方がいいかなぁと…
- 値段帯が9000円~20000円弱
- 値段の割に描き味は良い
- 描画ソフトが付属
- ワイヤレス、有線接続ともに可能
- 筆圧レベル4096
海外製に圧される形で登場した「Cintiq16 FHD」
こちらは廉価版液晶タブレットの「Wacom Cintiq」シリーズです。
こちらのCintiq 16 FHDは旧モデルCintiq 13HDの後継機として考えて問題ないと思います。
今までワコムって発売してからだいぶ時間が経ってるCintiq 13HDか高価なハイエンドの液タブしかなくて、前者は海外製に完全敗北してるし後者のハイエンドはそこまでは求めてない…ってことで「ちょうどいい」液タブが無かった問題が解消されるモデルかなぁと。
余計な機能を削減しつつワコムならではの高い描き味の性能を残しつつCintiq 13HDより値段も安く性能も高くなったのが特徴。
コスパや導入モデルとして考えるなら断然海外製かiPadなんですが、使い勝手が上がったことでハイエンドではないものの海外製よりちょっといい液タブが欲しい人向けな商品だと思います。
- 値段帯が70000円弱
- Cintiq13 HDより値段、性能ともに優秀
- ワコム製の液タブの中で一番安い
- 筆圧レベル8192
バランスが「よかった」液晶タブレット「Cintiq13 HD」(2018年1月11日から旧モデルになりました)
性能、値段ともに Cintiq 16 FHDの方が優秀で完全に過去のモデルになりました。
長い間お疲れ様でした!
Cintiqシリーズはサイズはいくつかあって、サイズ感、描き心地含めて俺がいいなぁと思ったのはCintiq 13HD 【2015年モデル】なんですが…正直この値段帯ならiPad Proの方が優秀だし、半分の価格で海外製の液タブが買える…。
iPad Proはアプリを入れれば液タブ化出来る上に絵が描けるアプリも増えつつあるし、海外製は想像以上に追い上げてきてる。
なので触った感触としてコスパの良い商品を求めるなら海外製やiPadが良くて、現状だとワコムは最上位のハイエンドモデルでしか差別化出来てないかなぁって印象。
そうするとCintiqのCintiq 27HDやCintiq Pro 24といった選択肢になるんですが、大半の層はそんな高価なモノを求めてないので結果的に「買いやすい値段でおすすめの液タブが欲しい」という人にはワコムは向いてない。
- 値段帯が85000円弱
ワコム製の液タブの中で一番安い- フルHDの解像度
- 描き味は良い
- 筆圧レベル2048
持ち運びができるタブレットpc「MobileStudio Pro 13」
こちらはタブレットPCの「Wacom MobileStudio Pro」シリーズです。
タブレットPCのMobileStudio Pro13は液タブとパソコンが一体型になったモデルで例えるならPCに繋げなくても使えて持ち運べる液晶タブレット。
性能はあらゆるモデルと比較してもトップクラスに良いのだけど、このサイズで持ち運びPCに繋げずに使うことがあるのか疑問。
同じサイズのCintic13HDであれば8万円弱だけどMobileStudio Pro13になった瞬間に3倍以上に跳ね上がる…正直買うなら近い役割も果たせるiPad ProとApple Pencilの方が良い買い物かなぁと。
- 値段帯が180000円~310000円弱
- 外出先でも使える
- 解像度、色域共に最高レベル
- 筆圧レベル8192
ワコムの特設店で中の人に話を聞いてみた
新しい板タブの「Wacom Intuos」が出たタイミングで特設店が開かれてたので実際に行って話を聞いてみました。
ペンタブ各種を試しつつ、ワコムの中の人に気になってたことを色々聞いて気になったポイントを一つ。
「今って海外製のペンタブもありますけど、ワコムが勝ってる部分ってどこですか?」って聞いたら「どう違うのか説明するのが難しいけど描き味が違う…」って言われて質問したスタッフが困ってたところに詳しそうな人が来て「ワコム製の商品はON荷重の繊細さが違う」とのこと。
ON荷重は内部情報としてはあるものの、現在の商品のスペックには書かれてない…らしいです。
ON荷重はどの程度の力を入れたら描画できるのかの指標のことでInuos Proの場合で1g程度の力加減(ほぼペンの重み)、Wacom Intuosで5~7g程度で反応する、つまり線画を描く場合は海外製よりワコムの方が向いてる、という海外製との違いを知ることができました。
あと傾き感知も海外製にはないモノが多いのでそういった部分が単純な筆圧レベルでは比較できない「描き味」の違いに繫がってるみたい。
そこ伝えないの勿体無いないですよ、商品説明に書きましょうよ、って伝えつつ…(笑)
ただ、筆圧が強い人や厚塗り系の人なんかはその差をあまり感じられないっぽいです。
まとめ|総合的に考えておすすめしたいペンタブは…
ワコムの個人的に気になった特徴をまとめました。
- コスパは微妙だけど基本性能は高い
- 他社にはない大きな液タブのハイエンドモデル
- 海外製には無い「ON荷重」「傾き検知」の繊細さ
総評としてコスパの観点で選ぶ場合は海外製の方がいいけど、ワコム製の強みは「高い水準の使いやすさを要求」「大きい画面で作業効率向上」「線画の描き味を重視」でプロとして仕事する人におすすめなのかなぁと。
他社メーカーとの差別化の観点から言うならこんな感じですが、ただ正直今だと海外製と比較したときにコスパでは完全に負けていて最上位モデル以外は特別優位性がない印象。
これらを踏まえるとワコムでおすすめ出来る製品は以下の通り。
【ペンタブレット】
- 他にはない最上位スペックのペンタブ→Intuos Pro
【液晶タブレット】
- 海外製よりコスパが劣るが描き味を重視したい→Wacom Cintiq 16 FHD
- ハイエンドモデルで海外製には無い大きさと性能の高さ→ Cintiq Pro 24
参考になれば。
あわせて読みたい
はじめまして。
コメント失礼します。
はじめてペンタブを購入するにあたって、
いろいろ調べているうちにこちらのサイトにたどり着きました。
記事を読むまでは「Intuos 」のMサイズ ワイヤレスにしようかと考えていたのですが
「Intuos4」の未使用に近い中古品が見つかれば、「Intuos4」を選ぶ方が良いでしょうか?
ご助言いただけますと幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします。
うえださんコメントありがとうございます!
「Intuos4」は現行の上位モデルと変わらない使い勝手ですが、生産が終了しているモデルなので状態を保証出来ないです…。
はじめてのペンタブでワコム製であれば「Wacom Intuos Medium」、特にワコム製に対してのこだわりが無ければ海外モデルの「HUION H610PROV2」がおすすめです。
さだぢさま
それでは、最初の予定通り「Wacom Intuos Medium」に決めます。
どうもありがとうございました。
製品名「Intuos」・型番「CTL-4100」で手書き文字を書こうとすると上手くいきません。例えば「峠」を書こうとすると「山」は何とか、右側を書こうとすると「┃」から、続いて「ー」「ー」は「上」に描けずバラバラの状態。どうすれば良いでしょうか?
南さんこんにちは!
手書き文字のような用途で使ったことが無いので正直分からないです…すいません。
ワコム公式の問い合わせ用のトラブルシューティングURLを載せたので参考に!
https://tablet.wacom.co.jp/support/inquiry/index.html